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病気が隠れているケースはごくわずか 子供の便秘の原因は

小児科医の細田和孝氏
小児科医の細田和孝氏(YouTubeから)

 小児科医に「便秘」の相談に来る親御さんは増えています。定義として、3~5日以上うんちが出ないお子さんは便秘といえます。お腹の中に病気が隠れているのはごくわずか。原因の大半は入学・入園など環境の変化や、急に寒くなる今の時季など気候の変化が関係してきます。自律神経のバランスが乱れることで、腸の動きが鈍くなるのです。これが便秘のはじまりと考えられます。

 うんちがたまっているということは、水分だけが体内に吸収されて、残った硬いうんちがお腹の中にたまっている状態と考えられます。とくに子どもは肛門も小さいので、出すのもひと苦労。痛ければいきむのもやめてしまい、排便を怖いと思ってしまいます。それでうんちをしたがらなくなる。この悪循環を断ち切っていくことが大事なのです。

 親御さんは「お薬を使わせてください」と言って相談に来られますが、できれば来院前に見直してほしいことがあります。ひとつは水分を取ること。目安としては体重10キロのお子さんで1日1リットル取らせてください。次に適切な運動です。平日は学校や幼稚園などで遊んでいると思いますので、休みの日も体を動かす習慣をつけてほしいです。

 また、おへそを中心として「の」を描くように少し強めにマッサージをしてあげたり、浣腸をするのもいいでしょう。そしてうんちを出すことが「怖くない」と教えます。

 硬いうんちが出た後はお尻を確認し、キレイに拭いてあげてください。

 こうした取り組みをしても、便秘が改善しない場合は、かかりつけ医に相談してください。

▽細田和孝(ほそだ・かずたか) 1999年、新潟大学医学部卒。国立循環器病センター小児科、山形県鶴岡市荘内病院などを経て2008年から「ナビタスクリニック立川」(エキュート立川内)勤務。小児内科、小児循環器病が専門。さまざまな医療現場で活躍するスーパードクターたちが出演の公式YouTubeチャンネル「SuperDoctors ―名医のいる相談室―」では、「小児科医が伝える!子どもの便秘で要注意な症状とは?簡単マッサージも!」について解説しています。

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