セックスが痛い

夫婦円満の秘訣は…「カスタマイズセックス」のすすめ

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写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 性教育にかかわる知人が多いのですが、彼らがよく口にするのが「AVをお手本にセックスしない」。AVによくある激しいタッチや腰振りは、女性にとっては痛いだけでしかないこともあり、私も同感です。

 前回、「女性の6割がセックスで痛みを感じる」「オーガズムを感じていない女性が男性の3倍」という悲しい数字を紹介しました。AVに限らず、自分が良かれと思って手本にしていたセックスが、実は悪しき手本だったことを示す数字なのかもしれません。

 そこで提案です。セックスを自分たちでカスタマイズするのはいかがでしょうか? 特にパートナーが性交痛を持っていたり、どちらかが病気や加齢で以前と同じようにセックスができなくなった場合、有効です。

 夫婦円満が自慢の知人男性は、糖尿病を患ってから勃起障害が出始め、ある日、妻と話し合い挿入しないでグッズを活用したカスタマイズセックスの提案をしたそうです。同意してくれた妻の意見も取り入れながら2人で考えたセックスで、「今まで以上に2人で楽しめています」と打ち明けてくれました。

「痛み」や「オーガズム不在」を問題として捉え、ヒアリングして解決策を相手と探り出すのは、本当に素晴らしいことだと思います。

 カスタマイズの事前知識として、女性は男性よりもオーガズムを得るまで時間がかかることを押さえておいてください。女性は「見る」「触れられる」という行為で性的興奮が高まり、相手の性器を受け入れる準備ができるからです。

 しかし、何で性的な興奮を感じるかは個々で異なるので、お互いにジャッジせず耳を傾けましょう。また、自身の好みも素直に伝える。何で痛い・不快・怖いか、何が気持ちいいか、試してみたいかを共通認識にする。お互いのNG項目を明確にし、避ける。実践後は、どれが成功または失敗したかを振り返り、NGリストに付け加える。

 カスタマイズセックスの先には、深い心のつながりと、今までにない達成感と快楽のある2人のセックスが出来上がるでしょう!

小林ひろみ

小林ひろみ

メノポーズカウンセラー。NPO法人更年期と加齢のヘルスケア会員。潤滑ゼリーの輸入販売会社経営の傍ら、更年期に多い性交痛などの相談に乗る。

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