「死ぬまで元気」を目指す

ラグビー日本代表を支えたアスレチックトレーナーはどんな仕事?

パーソナルトレーナーとして活動する三田貴史さん
パーソナルトレーナーとして活動する三田貴史さん(C)日刊ゲンダイ

 アスレチックトレーナーという職業があることを知っている人は、まだそう多くはないかもしれない。

「今年7月にヤンキースの田中将大投手が、練習中に頭部に打球を受けてしまうということがありました。あのときに最初に田中投手に駆け寄って状態を確認したのが、アスレチックトレーナーです」

 こう話すのは、現在都内でパーソナルトレーナーとして活動する三田貴史さん(写真)。アメリカの大学でスポーツ医療を学んだ後、アメリカでは医療国家資格であるアスレチックトレーナーの資格を取得して帰国した。

「日本ではまだ知名度が低いアスレチックトレーナーですが、アメリカではメジャーな存在。スポーツ現場や体を動かす人たちがいる環境の中で、なにか病気やケガにつながるような事態が起きたときに、真っ先に反応して選手の様子をチェックし、対策を考えるのがその役割です」(三田さん・以下同)

 病気やケガ、そのほかなにか異変が起きた選手の体をすぐに動かしていいのか、練習を続けてもいいのか、悪いのか。それらはアスレチックトレーナーの判断にゆだねられているという。また、活躍の場はプロスポーツチームの中だけではなく、学校であることも。

「たとえば、ハワイ州では各学校に必ずアスレチックトレーナーがひとりいなければいけないと法律で定められています。部活動や体育の授業の最中に怪我人が出たら、すぐに対応する。また、怪我の予防にテーピングやストレッチを行う。怪我をした生徒には、学校の中の施設で怪我から競技に復活するためのリハビリを行うなど、仕事は多岐に渡ります」

 日本でもアスレチックトレーナーの資格を取得することができるが、日本の場合はアメリカと違って国家資格ではなく、民間協会からの認定のもの。それでも今年1月にドキュメント番組「情熱大陸」(TBS系)で、ラグビー日本代表を支えたアスレチックトレーナーの佐藤義人氏が特集されたことで、徐々にではあるがその認知度が高まり初めている。

 では、アスレチックトレーナーの本場ともいえるアメリカで資格を取得した三田さんが開催しているパーソナルレッスンに参加すれば、どのような指導が受けられるのだろうか。

「僕が教えているのは“根本的な体の動き方”。どんな方にも、まず呼吸の仕方から指導します。息を吸ったり吐いたりは誰もが無自覚で行っているものですが、その人にあった適正な呼吸を行うようにすると、確実に体が変化します。“適正な呼吸を学び、無理な負担をかけず楽に生きていける体を作る”、そのためのトレーニングを指導しています」

 呼吸が変われば、体も変わるとは実に興味深い。普段自分では気づかない体の癖を見つけ、修正方法も指導してもらえるそうだ。年齢は関係なく、いくつからでも体は変化できるというので気になる方はぜひ。

関連記事