セックスが痛い

間違った情報に振り回されない…本当に必要かまずは自問を

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写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 からだに関する悩みはだれにでも1つや2つあるかと思います。特に性に関する悩みでは、人に相談しづらい分、不確かな情報に引き込まれてしまいがちです。

 男性でいえば、仮性包茎。ひと昔前は「むけているのが男」といった広告が見受けられましたが、現在は「ほとんどの仮性包茎は手術が必要ない」という正しい情報が広まり、この手の広告が減りました。しかし、「むけているとよいセックスができる」「モテる」「早漏にならない」など、間違った認識を持つ人はいまだ少なくありません。

 女性の例で最近よく目にするのが「陰毛処理は欧米では当たり前」「不衛生だから処理するべき」「寝たきりになったときに介護の人に迷惑をかける」といった記事。商品やサービスを宣伝する記事広告の場合も結構あるのですが、心を動かされてしまう人もいます。

 しかしよく考えれば「欧米では当たり前」って、なんでも欧米が正しいような話も変だし、我が家には温水洗浄便座があるのでデリケートゾーンの衛生面に不便さを感じたことがない。

 将来、確実に寝たきりになるわけではなく、高齢になると毛は全体的に薄くなることを考えると、真に受ける話ではないですよね。

 性交痛に関していえば、「どの潤滑ゼリーでも痛みが改善されなかった」「原因不明で長い間痛みに悩んでいる」といった場合、痛みをなんとか解決したいと願っている人ほど、キラキラした言葉で飾られた商品やサービス、「正解」とは言えない情報に振り回されやすくなります。

 事例に共通した防止策としては、「自問」です。それが本当に必要か、男/女らしさの押し付けや発信者の都合の良い内容ではないか自問をする。たとえば私は2度ほど脱毛経験がありますが、考えた末、(今の)毛量を減らしたいから必要と判断しました。

 コンプレックスにつながる悩みだと、考えたり、調べたりせずについ飛びついてしまいがち。自問がブレーキとなり、調べる・冷静になる時間をくれます。からだについて正しく書かれた教科書的な本を読み、知識を身に付けることも、不確かな情報に惑わされない上で重要です。

小林ひろみ

小林ひろみ

メノポーズカウンセラー。NPO法人更年期と加齢のヘルスケア会員。潤滑ゼリーの輸入販売会社経営の傍ら、更年期に多い性交痛などの相談に乗る。

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