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就寝中の夜中に足がつるのはどうしてなのか…予防法はある?

整形外科医の佐々木政幸氏
整形外科医の佐々木政幸氏(提供写真)

 就寝中に足がつって目が覚める、いわゆる「こむらがえり」は、50代をすぎたあたりから加齢とともに頻度が増して起こります。

 こむらがえりとは、ふくらはぎの筋肉の繊維が収縮し、けいれんを起こすことで足がつる状態。こむらがえりの「こむら」はふくらはぎのことを指します。

 主な原因はミネラルバランスの乱れ。マグネシウム、カリウム、カルシウムの3つのミネラルの不足によって、筋肉の収縮や神経伝達が正常に行われなくなって、けいれんを起こすのです。

 次に、スポーツや就寝中の発汗による脱水で血行不良を引き起こし、筋肉が縮んだ状態になることも、こむらがえりの一因。冷えも血液の流れを滞らせますから注意しましょう。

 対策は、就寝前の水分補給と血行を良くするためのストレッチ。屈伸運動はおすすめです。

 そして、足がつった時は急激に動かさず、5~10秒かけてゆっくりと伸ばしてください。

 薬ならば、漢方薬の「芍薬甘草湯」は効果があります。ただし、体質もあるので、必ず病院で処方してもらいましょう。

 こむらがえりを起こすと強い痛みを伴いますが、せいぜい数秒から数分間で治まります。たまに起こるくらいなら、加齢が原因のミネラル不足や血行不良によるもので心配はありません。

 しかし、頻繁に起きたり、日中にもふくらはぎがつるという症状が出たら、血液検査を受けてください。

 血管の病気であったり、ミネラルの代謝の異常が原因ですから、糖尿病や肝臓、腎臓、甲状腺の病気が隠れている可能性もあります。

▽佐々木政幸(ささき・まさゆき) 1995年、昭和大学医学部卒業後、形成外科勤務。96年、慶応義塾大学整形外科勤務以後、関連病院勤務。2010年に久我山整形外科ペインクリニック開業。さまざまな医療現場で活躍するスーパードクターたちが出演の公式YouTubeチャンネル「SuperDoctors -名医のいる相談室-」でも解説します。

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