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体質か遺伝か…年を取るとシミやイボが増えるのはなぜ?

皮膚科医の神林由香氏
皮膚科医の神林由香氏 (提供写真)

 シミやイボが、なぜできるのか、その正確なメカニズムはすべては解明されていません。

 体質によってできやすい人がいるのは確かですが、遺伝だけが原因ではありません。年をとると体のあちこちに不調が出るものですが、肌も同様にシミやイボが出てきます。

 もうひとつ、屋外で働いていたり、アウトドアスポーツの趣味を持っていたり、紫外線を浴びる機会が多い人は肌のDNAを壊してしまい、シミやイボができやすいといえます。

 加齢とともに顔や頭、お腹など全身のあちこちにできる茶色や黒色の“できもの”はさまざまなものがありますが、脂漏性角化症や老人性血管腫、軟性線維腫などが多いです。

 予防としては、紫外線を浴びすぎないことはもちろん、肌の老化の原因でもある活性酸素の作用を抑える抗酸化物質を摂取するのもひとつです。ポリフェノールやビタミンA、C、Eを含む食品を意識して摂取するといいでしょう。

 ストレスによって分泌されるコルチゾールなどのストレスホルモンも、メラニン色素を過剰に分泌してしまうので、シミやイボができやすくなる可能性があります。

 非常にまれですが、シミやイボが1~2カ月で急速に顔や全身に増えたという場合は、大病の兆候である可能性があります。

 がんなどの可能性も否定できないので、内科で診察を受けてください。

▽神林由香(かんばやし・ゆか) 東京大学理科2類中退後、2011年香川大学医学部卒。東京女子医科大学病院初期研修、東京女子医科大学病皮膚科入局。現在、「メンズクララクリニック」院長。日本皮膚科学会、日本抗加齢学会、メンズヘルス医学会会員。さまざまな医療現場で活躍するスーパードクターたちが出演の公式YouTubeチャンネル「SuperDoctors -名医のいる相談室-」でも解説します。

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