バレンタインを来週に控え、商業施設でもチョコレートを目にする機会が増えてきました。
チョコレートの材料、カカオには年に2回の旬があるといわれています。新米、新茶など旬の食材はおいしさも栄養価も抜群なのに、新チョコがないのはなぜでしょうか。
カカオを育てるには、胚乳にあるカカオバターが溶ける必要があるのですが、その温度は約30度なので、気温が30~35度の熱帯でしか栽培できません。
一方で、カカオ豆から作ったチョコは30~35度で溶けるので、カカオが栽培できる所では、チョコが作れないのです。収穫と製造場所が違うことから新チョコという概念がないのでしょう。
さて、そんなカカオですが、最近ではスーパーフードとも呼ばれ栄養価が豊富。カカオの中でも栄養価が高いのは全く手を加えられず、低温で加工されたものやカカオ含量が多いものです。加工する過程で成分が少なくなったりするので、栄養素を十分に取りたい方には、ローカカオやカカオ70%以上のダークチョコがオススメ。
カカオは、コレステロールの酸化や動脈硬化予防に効果があるといわれる抗酸化物質が豊富で、100グラム中10グラムも含みます。その量は赤ワインの2倍、緑茶の3倍ともいわれています。
カカオに含まれるテオブロミンは大脳を刺激して集中力や記憶力、思考力を高め、気力をUPさせる働きがあります。カフェインと同じ覚醒効果を持つのに緩やかに作用します。自律神経調節作用があるのでリラックスさせる効果も。その他、ビタミン類やカルシウム、マグネシウム、鉄などのミネラルも含まれています。特にバランスがくずれると心臓病や高血圧のリスクが高まるカルシウムとマグネシウムの割合が良いことも注目されています。
カカオは食事の前に食べることで食後血糖値の急激な上昇を抑えることもできるので、特に血糖値を上げすぎてはいけない夕食前のおやつにいかがでしょうか。リラックスもできて一石二鳥です。
時間栄養学と旬の食材