日本でも問題になっている長期にわたるコロナ後遺症。このつらい症状が、ワクチン摂取により軽減されるケースが報告され、注目が集まっています。
アメリカでは、コロナに感染した人に後遺症が出る確率は10~30%とされています。現在、感染者累計が3000万人近くなっていますから、少なくとも300万人が何らかの後遺症を持っていることになります。
コロナ回復後、数カ月から1年経っても、心臓や肺疾患などの後遺症から強いだるさを感じて学校や仕事に戻れなかったり、息切れや頭痛、下痢、味覚が戻らないなどの症状に苦しむ人は、「ロング・ホーラー」(長く引きずる人)と呼ばれています。大きな特徴は、感染した時は無症状だった人も含まれることです。
こうした後遺症の救済のために立ち上げられた非営利団体「サバイバー・コープス」(survivor corps)が独自の調査を行ったところ、ワクチン接種を受けた600人のロング・ホーラーのうち、47%が症状は特に変わらないと答えたのに対し、39%が症状が軽減したと答えています。
専門家によれば、多くの後遺症は体内に残ったウイルスの粒子で引き起こされているとのこと。理論的には、ワクチンで強化された免疫によってこうした粒子が除去されれば炎症が治まります。もしそうならコロナワクチンは後遺症の治療薬としても使えることになります。
しかし後遺症の中には、コロナ感染で過剰に反応した免疫システムが原因になって引き起こされているものもあり、この場合はワクチン接種直後は症状が軽減しても、長期的な解決にはならないそうです。
いずれにせよ後遺症に苦しむ多くの人にとっては朗報として受け止められています。今後、ワクチンがコロナ後遺症にどう影響を与えているのか、さらなる研究も待たれています。
ニューヨークからお届けします。