名医が答える病気と体の悩み

ブルーベリーが目の健康に良いのは本当か どんな効果がある?

独協医科大学眼科学教室の妹尾正氏
独協医科大学眼科学教室の妹尾正氏(提供写真)

 ブルーベリーといえば「目に良い」というイメージがありますが、それは青紫色の成分「アントシアニン」に関係しています。アントシアニンはポリフェノールの一種で、目の網膜に入っているタンパク質「ロドプシン」の再合成を促すといわれています。これはビタミンAに近い物質で、眼精疲労の改善、目の調整力の改善、抗酸化作用を促す効果が期待されます。

 アントシアニン自体は植物性ですし、成分で見ればブルーベリーが目に良いといわれる理由はあります。ただし、眼科におけるサプリメント商品として考えるとエビデンスはなく効果のほどは分かっていません。

 サプリにも、「特定保健用食品(トクホ)」「機能性表示食品」「栄養補助食品」の種類があります。そのうちトクホだけが、含有成分の疾病リスク低減効果が医学的・栄養学的に確立されていれば、消費者庁から疾病名の表示が認められるようになっています。

 しかし、トクホで認められた眼科商品はありません。ビタミンA、C、Eが含まれた「栄養補助食品」と、アントシアニンが含まれた「機能性表示食品」のみ。ブルーベリーを使用するサプリなら副作用になるリスクは少ないですから、飲む分には問題ありませんが、画期的な効果が得られるとは言えないのが現状です。

▽妹尾正(せのお・ただし) 1986年3月独協医科大学医学部卒業。97年12月海外留学。2000年4月同大学眼科学教室講師、02年7月同大眼科学教室助教授、06年4月から同大眼科学教室教授を務める。

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