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寒涼性食材のキュウリとミョウガで熱タイプの体臭を改善

たたきキュウリとミョウガのごまめんつゆ和え
たたきキュウリとミョウガのごまめんつゆ和え(提供写真)

 先週に引き続き、体臭ケアについて紹介します。薬膳における体臭対策はタイプ別の食養生が必要。大きく4つのタイプに分かれます。今回は「熱タイプ」の対策です。

 このタイプは体内に余分な熱をためこむことが原因。肉や揚げものなど「茶色系フード」や辛いものが大好きで、なおかつ食べ過ぎ、そしてお酒も大好き……という人に多いタイプです。

 過剰な熱がニオイを放ち、さらには汗をかきやすく、その量も多いためさらに臭うという「悪臭二段重ね」になりがちです。食べ過ぎ、脂っこいものの取り過ぎで、当然ながら中性脂肪も高く肥満気味。また、このタイプは体内にこもった熱のせいで水分を消耗してしまうため、のどが渇きやすく、冷たい飲み物が好きといった傾向があります。

 熱が腸を乾燥させるために便も乾燥して便秘になりがち。そのほか、尿の量が少なく黄色くて濃い、食べると汗をかいたり、顔が赤くなる、舌の色が赤いといった特徴も見られます。

 熱タイプはとにかく体の熱を徹底的に冷ますことが改善のポイント。余分な熱を取り去る「寒涼性」の食材を取り入れクールダウンすることで、「冷却消臭」に努めましょう。

 おすすめはキュウリ。体内にこもった熱をとる作用が高い寒涼性食材の代表ともいえる野菜です。また、夏の薬味として欠かせないミョウガも熱冷ましにパワーを発揮する食材。積極的に取り入れましょう。そのほかゴーヤー、トマト、レタス、セロリも改善に役立ちます。

 魚介類ではタコがもっとも体のクールダウンに貢献します。

 飲み物は緑茶がおすすめ。熱を冷ますとともに、体内の毒素を分解する作用があります。こまめに飲んで「緑茶消臭」を。

 さらに、体を冷やす食材を取り入れるとともに、体に熱をもたせる食生活を改めることも大切です。毎日のように揚げもの、ほぼ肉食、ゴハンはたくさんおかわり……といった「永遠の体育会系男子」のような食事を見直し、お酒もほどほどにしておきましょう。

 温熱性食材の過剰摂取にも気をつけること。ショウガ、ニンニク、ネギ、牛肉、エビは控えめに。辛いもの、スパイスが過剰にきいた料理も要注意です。ましてや、なんでもトウガラシやコショウをたっぷりかけるといった習慣は「悪臭5割増し」行為。慎みましょう。

■熱タイプの体臭改善薬膳レシピ


たたきキュウリとミョウガのごまめんつゆ和え

 過剰な熱を一気に冷却するキュウリとミョウガを組み合わせた冷却消臭薬膳レシピ。

 冷やし中華風のタレがしみたキュウリと、さわやかなミョウガの風味で晩酌にぴったりですが、お酒はほどほどで。

【材料】 2人分
●キュウリ  2本
●ミョウガ  2個
●タレ(めんつゆ大さじ2、ごま油・酢大さじ1、鶏ガラスープのもと少々)
●塩  少々

【作り方】
 キュウリの両端を切り落とし、すりこぎなどで叩いて食べやすい大きさにちぎり、塩をもみこんでから器に盛る。小口切りにしたミョウガをのせて、混ぜ合わせたタレをかける。

池田陽子

池田陽子

薬膳アテンダント・食文化ジャーナリスト・全日本さば連合会広報担当サバジェンヌ。国立北京中医薬大学日本校(現・日本中医学院)で国際中医薬膳師資格を取得。近著「1日1つで今より良くなる ゆる薬膳。365日」が好評発売中。

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