新型コロナワクチン副反応データ分析

ワクチン接種後死亡1312人 すべて「因果関係なし」か「不明」

新型コロナウイルスのワクチン接種を受ける女性
新型コロナウイルスのワクチン接種を受ける女性(C)共同通信社

 新型コロナワクチン収束へのカギを握るとされるワクチン。その接種に関する批判がタブーになりつつある。しかし、新型コロナを正しく恐れ、自分の意思で接種の有無を決めるには新型コロナワクチンの副反応について正確に知る必要がある。

 日本では、2月17日にワクチン接種がスタートして以降、厚労省はおおよそ2週間に1度程度の間隔で厚労省科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、令和3年度薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(以下専門部会)を開き、収集した副反応のデータを基に接種と副反応との関連性を議論している。

 そこで10月22日開催の専門部会に提出された公表資料から新型コロナワクチン接種後の死亡報告事例を抜き出してみた。

 予防接種開始(2月17日)から10月3日までに新型コロナワクチン接種後の死亡として報告された事例は1255件(ファイザー社製1218件、モデルナ社製37件)。その後15日までに57件(ファイザー社製50件、モデルナ社製7件)の報告があった。つまり、予防接種開始以来241日間に1312件(ファイザー社製1268件、モデルナ社製44件)の死亡が報告されたことになる。

 一方、10月15日までの推定ワクチン接種回数は官邸発表のデータによると1億7825万5509回。仮に1312件の死亡すべてが新型コロナワクチンとの因果関係があったと仮定すると、1回当たりの致死率は0.00073%となる。

 専門部会では10月3日までに報告された1255件の死亡とワクチン接種との関連についてα(ワクチンと死亡との因果関係が否定できないもの)、β(ワクチンと死亡との因果関係が認められないもの)、γ(情報不足等によりワクチンと死亡の因果関係が評価できないもの)と評価している。その結果は以下の通り。

▼ファイザー社製(α=0件、β=6件、γ=1212件)

▼モデルナ社製(α=0件、β=1件、γ=36件)

 また、10月3日までに死亡が報告されたファイザー社製1218件のうち65歳以上1071例に対して65歳未満は138例、記載なしは9例。

■虚血性心疾患が目立つ

 記載されていた死因等は虚血性心疾患112例(うち65歳未満は15例)、心不全109例(同10例)、肺炎90例(同1例)、出血性脳卒中89例(同24例)、大動脈疾患54例(8例)、虚血性脳卒中51例(5例)、不整脈33例(11例)、敗血症33例(同1例)などが多かった。

 一方、モデルナ社製37件のうち65歳以上6例、65歳未満30例となった。

 症状の概要に記載された死因等は出血性脳卒中9例(うち65歳未満7例)、虚血性心疾患8例(同6例)、心不全3例(同3例)、不整脈2例(同2例)、敗血症2例(同2例)、肺炎2例(同1例)などとなっている。

 ファイザー社製、モデルナ社製共に虚血性心疾患等が目立つ。そこで専門部会はワクチン接種後の副反応疑い報告に基づく1人1日当たりの死亡の頻度と、死亡届に基づく1人1日当たりの死亡の頻度を比較している。

 データは2月17日~7月11日の副反応疑い報告(接種から30日以内に出血性脳卒中疑いで亡くなった50例)とファイザー社製の推定接種回数(5843万9259回)、2019年に虚血性心疾患で亡くなった人(3万4380人)を使用。計算式は、①ワクチン接種群の出血性脳卒中による死亡の報告の発生率=出血性脳卒中÷(ワクチン接種延べ人数×観察期間)、②一般人口での出血性脳卒中の発生率=出血性脳卒中による年間死亡数÷(総人口×年間日数)とした。

 結果は①が100万人1日当たりの死亡率が0.03件/100万・日、②が0.75件/100万・日となり、ワクチン接種群が多いわけでない、としている。

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