名医が答える病気と体の悩み

「ほうれい線」ができやすいのはどんな人? 防ぎ方や改善法は?

皮膚科医の川﨑加織氏
皮膚科医の川﨑加織氏(提供写真)

 鼻の端と唇の端を結ぶ「ほうれい線」は、主に頬のたるみと乾燥が原因です。加齢によって、顔にも脂肪が付きやすくなり、重力で落ちてきます。また、皮膚のコラーゲンの繊維も脆弱になってきますし、筋肉を吊り上げる靱帯も緩みます。こうした要素が連なって、頬は下がり、ほうれい線が目立ってしまいます。

 さらに乾燥肌の人は、ほうれい線のラインが深く刻まれて痕になって目立ちやすくなります。

 ほうれい線は、女性の方が気にされていますが、実際は男性にも目立ちます。なぜなら、日光による紫外線が皮膚の老化を進ませるためで、日焼け止めや化粧をせずに、外回りしている男性はリスクが高いのです。また、生まれつきの顔の骨格や肌質も関係します。マリオットライン(口の両端から真っすぐ下に伸びる深いシワ)も家系で似てきますから、親族がほうれい線の深いタイプで、気になるようなら意識して肌のケアをしておきましょう。

 対策としては、①顔をこすらないこと。靱帯が引き伸ばされ、たるみやすくなります。②洗顔後は化粧水や乳液を付けて保湿をする。ハリをもたせます。それでも気になる方には、美容皮膚科や美容外科で行っているヒアルロン酸の注入や糸リフトがあります。数年前の自分に戻らせる治療方法として行われています。

▽川﨑加織(かわさき・かおり) 2004年兵庫医科大学医学部卒業後、兵庫医科大学病院皮膚科レジデント、明和病院皮膚科医員、近畿大学医学部奈良病院非常勤医師などを経て、15年10月に西宮わたなべ前浜クリニック院長、18年10月から、皮フ科かわさきかおりクリニック院長を務める。美容皮膚科医。日本皮膚科学会認定皮膚科専門医。

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