名医が答える病気と体の悩み

お腹や太ももなどに「肉割れ」ができる原因は? 線を消す方法はあるの

皮膚科医のコッツフォード良枝氏(提供写真)

 お腹や太もも、ふくらはぎなど体の一部にひびが入ったような見た目になる「肉割れ」。脂肪線と呼ばれることもありますが、原因は過度な筋トレや急激な体重の変化です。

 皮膚は、一番外側から表皮層、真皮層、皮下組織という3つの層から形成されています。肉割れとは、真ん中の「真皮層」が断裂した状態です。急激な体形の変化によって皮下組織が膨張すると、真皮層も引っ張られます。真皮層はコラーゲン線維とエラスチン線維から構成されていて、コラーゲンは伸縮性がないため、引っ張られることで断裂するのです。

 皮膚科には「肉割れの線を消したい」という相談が少なくありません。基本的に、一度断裂した真皮層は元通りにはならないため、治療をしても消すことはできません。ただ、目立たなくすることは可能です。主に、レーザー治療やダーマペン(極細の針で皮膚表面に目に見えないほどの穴を無数にあけ、皮膚の修復機能を高める治療)によるものですが、費用がかかります。相場は手のひらサイズの範囲で3万~5万円。これを何回か繰り返して薄くします。またはアートメークによって、周囲の肌色と同じ色の色素を入れる治療もあります。

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