コロナ禍でも注目 最新医療テクノロジー

心身の状態を知らせてくれる「スマートグラス」第2世代が登場

スマートグラス「JINS MEME」(JINS提供)
スマートグラス「JINS MEME」(JINS提供)

 メガネの販売専門店チェーン「JINS」を運営するジンズ(東京都千代田区)は今年10月、内蔵センサーで心身の状態を可視化できるスマートグラス「JINS MEME(ジンズ ミーム)」の新モデルを発売した。

 2015年に発売した初代モデルの登場から、新モデルの研究開発には5年以上を費やしている。医療機器ではなくヘルスケア製品だが、どんな点が改良されているのか。同社・JINS MEME事業部アプリケーション開発担当の一戸晋氏が言う。

「初代モデルは、2つのセンサーとバッテリーをノーズパッド回りとツルの部分に分散して格納していました。それを小型化し、すべてをノーズパッド回りに集約したことで軽量化でき、かけ心地やデザインは普通のメガネとほとんど変わらなくなりました。価格も初代モデルの半額ほどに抑えています」

 搭載する「3点式眼電位センサー」は、眼球の動きによって生じる電位差を計測。まばたきの強さと速度、間隔、視線移動の速さからココロの状態を分析する情報を取得するという。

 もう1つの「6軸モーションセンサー」は、3軸(x軸、y軸、z軸)方向の加速度を測る「加速度センサー」と、回転する速度を計測する3軸の「ジャイロセンサー」を組み合わせ、体軸の変化を正確に捕捉。体のあらゆる動きの情報を取得することができる。

 この2つのセンサーによって得られたデータは、ブルートゥースで専用アプリに送信され、独自のアルゴリズムによって解析される。新モデルで可視化できるのは、主に「BODY(カラダ)」「MIND(ココロ)」「BRAIN(集中)」の3つだという。

 BODYは姿勢の良し悪しの評価、座り時間などを表示。MINDは作業への没入度、ココロの安定度、バイタリティーを判定。BRAINは時間別の集中度、3段階の集中時間の集計結果を表示するとしている。

 これらの結果によって、ストレッチやヨガ、瞑想などの心身の問題を改善するための「メンテナンス法」を教えてくれる仕組みになっている。

「いまテレワークが浸透したり、副業が認められるなど、個人の責任でヘルスケアをしていかなければならない時代になりつつあります。そのためには、自分の心身の状態を正しく把握し対策する必要があります」

 新モデル(メガネタイプ4型8種)の価格は、1万9800円(税込み)。アプリの利用料は1年間無料で、2年目以降は年額5000円(同)または月額500円(同)になる。

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