コンニャクは、原料のコンニャク芋を乾燥、粉砕して粉にし、凝固剤を加え、袋や型に入れて熱をかけて固めたもの。しらたきは、凝固剤を加えた後、シャワーのようにお湯の中に細長く流し出し固めたものをいいます。
コンニャク芋を加工する食材なので特に旬はないものの、生のコンニャク芋が収穫されるのはちょうど今の時季です。
そんなコンニャクに含まれる栄養素にはどんな健康効果があるのでしょうか? まずはグルコシルセラミド。コンニャク芋から抽出したセラミド成分を2週間食べさせたマウスで脳内のアミロイドβが減少し、Y迷路テストをさせた際に認知が改善されていたことが北海道大学の研究で明らかになりました。アミロイドβは、脳内にたくさん増えることでアルツハイマー性認知症の原因になると考えられているタンパク質です。睡眠をしっかりとることや有酸素運動によってもアミロイドβを分解する酵素を増やすことが報告されています。
次の栄養素は、整腸効果・便秘解消効果があり腸をきれいにしてくれるマンナン、つまり食物繊維です。
夜は血糖値がただでさえ上がりやすい時間帯。夕食前にコンニャクを食べ、食物繊維を体内に入れておくことで、たとえ同じ食事をとったとしてもその後の糖質の吸収をゆっくりにする効果があるといわれています。
コンニャクは植物性のグルコシルセラミドも豊富です。
セラミドはヒトの肌の角質層にある成分です。肌のバリアー機能を保つので、セラミドの減少によって、肌荒れ、乾燥肌などの肌トラブルが出てきます。セラミドの原料となる米や小麦と比較しても、コンニャク芋には7~16倍も多くセラミドが含まれています。
また、資生堂の研究でもコンニャク由来のグルコシルセラミドに美容効果があることが報告されています。
1日当たりの目安としては、コンニャク由来であれば0.6ミリグラム以上摂取することが推奨されていて、これは生芋コンニャク100グラム程度に相当します。生芋の方がセラミドを豊富に含みますのでぜひ探してみてください。
時間栄養学と旬の食材