新型コロナウイルスの感染拡大は、私たちの日常生活に大きな影響を及ぼしました。2年以上に及ぶコロナ禍において、人が集まるお祝い事やイベントの開催を見送った方も多いと思います。実際、屋内に多くの人が集まるイベントでは、新型コロナウイルスの感染リスクを高めることが報告されています。
そんな中、結婚式の披露宴における新型コロナウイルスの感染リスクを、ワクチンの接種状況で比較した研究論文が、米国医師会が発行しているオープンアクセスジャーナルに2022年2月1日付で掲載されました。
この研究では、100~125人規模の結婚式披露宴に出席した75人(平均年齢37.5歳、女性76%)が対象となりました。披露宴は2021年7月に、米国ミネソタ州で屋内開催されたイベントを調査しており、この時期において米国疾病対策センター(CDC)は、ワクチン接種者におけるマスクの着用やソーシャルディスタンスなど、感染対策に関する推奨を解除していました。なお、研究対象者のうち62人が新型コロナウイルスの検査を受けています。また、ワクチンを2回接種していた人は56人、1回のみ接種していた人は4人、未接種者は15人でした。
検査の結果、新型コロナウイルスが陽性だった人は29人でした。陽性者の割合はワクチン2回接種者で35%、1回のみ接種者で50%、未接種者で92%と、感染のリスクはワクチン2回接種者と比べて未接種者で2.64倍、統計学的にも有意に高いことが示されました。
論文著者らは「ワクチンの接種を受けた人が多いにもかかわらず屋内イベントでの新型コロナウイルス感染が確認されている。ただし、ワクチンを接種することは感染リスクの低下につながる」と結論しています。
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