4月から「オンライン診療」が変わった! 知っておくと役に立つ7つのポイント

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 今年4月から「オンライン診療」が大きく変わった。対面診療とオンライン診療を行う中野島糖尿病クリニック(神奈川県)の渡部ちづる医師に話を聞いた。

 オンライン診療とは、医師-患者間において、スマホなどの情報通信機器を通してリアルタイムに、医師の診察、診断、薬の処方などの医療行為を受けること。

 2020年4月9日まで、通常のオンライン診療では、「初診からオンライン診療」は認められていなかった。

「20年4月10日、コロナ対策として『0410対応』が発令され、時限的・特例的措置として、初診からのオンライン診療が解禁となりました」

 さらに22年1月には初診からのオンライン診療が恒久的に可能となり、同年4月にはオンライン診療に伴う新たな診療報酬が適用となった。

 4月、医療メーカー「アボットジャパン」が行ったインターネット調査では、オンライン診療を受けたことがある人は5%未満。約24%が「オンライン診療についてよくわからない」と回答した。知っておくと役立つ内容は次の点だ。

■条件をクリアすれば初診からOK

【初診はかかりつけ医が行うことが原則】

「かかりつけ医がおらず初診の場合、診療前相談を受けるか、基礎疾患やアレルギー歴などしっかりした医学的情報を用意しなくてはなりません」

 診療前相談とは、かかりつけ医“以外”の医師にオンラインで、オンライン診療が可能かどうかを判断してもらうこと。不向きと判断されれば、対面診療となる。この段階では、診断、薬の処方などは受けられない。

【急性疾患は対象外】

「強い腹痛や止まらない激しい咳、高熱などは、緊急性があるため初診ではオンライン診療が不可になります」

 重症化リスクの少ない新型コロナウイルス感染症はオンライン診療が可能だが、気管支ぜんそくなどで定期的に診療を受けていたとしても、病状によっては医師の判断でオンライン診療不可となる。

【検査、診察が必要な場合は対象外】

 たとえば、アレルギー性鼻炎の初診で、検査や診察が必要と判断されたらオンライン診療の対象外。しかし、すでにアレルギー性鼻炎の診断を受けていて、定期的に通院しており、症状が安定しているならオンライン診療の対象となる。

【処方薬・処方日数に制限がある】

 どんな薬でも、何日分でも、処方できるわけではない。

【オンライン診療だけで完結してもいい】

「これまでは3カ月に1度は対面というルールがありました。それがオンライン診療だけで完結してもよくなりました」

【診療を受ける医療機関からの距離制限が撤廃】

「『約30分以内に対面診療できる医療機関』『緊急時受診可能な生活圏内の医療機関』などの要件が撤廃されました」

【初診料が認定された】

 患者が支払うオンライン診療の初診料が、正式に認定された。自己負担3割では753円(一部医療機関によっては金額が異なる)。オンライン診療は保険診療だが情報通信機器の使用料は自費で患者負担となる。

 渡部医師が言う。

「オンライン診療はまだまだ制限があり、発展途上の面もあります。しかし一部の慢性疾患では道が開き始めています。今まで専門的医療が受けられなかった地域、人へ届けられるのは革命的。将来の大病の予防につながると思いますし、個々の時間という人生の財産の使い方を選べることでもあると思っています」

 オンライン診療を行っている医療機関は、ホームページで告知しているケースが多い。興味を持ったなら、相談してみてはどうか。

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