時間栄養学と旬の食材

【米】糖質以外に含まれる栄養素とは? 脂肪肝を予防する成分も

「イノシトール」という成分が脂肪肝を予防(C)kuppa_rock/iStock
「イノシトール」という成分が脂肪肝を予防(C)kuppa_rock/iStock

 新米のおいしい季節がやってきました。縄文時代の後期、中国から日本にやってきた米。主に中国の中南部やタイ、ベトナム、インド、バングラデシュ、フィリピンなどで栽培されるインディカ米と、日本を含む朝鮮半島や中国東北部、ヨーロッパの一部で栽培されるジャポニカ米、インドネシア、アメリカ、ブラジル、イタリア、スペインでつくられるジャバニカ米の3種類に大きく分類されます。品種で分類するとその数は2万種類以上ともいわれ、日本でも主要な食材のひとつとしてさまざまな品種改良を重ね続けられています。

 そんな米は、糖質を多く含んでいることから、重要なエネルギー源として食されていますが、そのほかにタンパク質、脂質、ミネラル、ビタミンも含まれています。

 特にタンパク質は通常サイズのパックごはん(200グラム)あたり5グラムが含まれています。絹ごし豆腐100グラムのタンパク質が4.9グラムですので、ごはんも重要なタンパク質源だということがわかります。

 最近の研究では、米に含まれるさまざまな機能性成分が注目を集めています。

 イノシトールという成分は、脂質代謝を促進して脂肪肝を予防するのに効果的であることがわかっていますし、システインプロテアーゼインヒビターという成分は口腔内にいる細菌(P.gingivalis)の増殖を抑制することがわかっています。

 γ-オリザノールを含むコメ油を4週間、1日0.8グラム取り続けると、総コレステロールを減らしたり、善玉コレステロールを増やして悪玉コレステロールを減らしてくれるという研究結果も。このことから、γ-オリザノールによる高コレステロール血症改善効果だけでなく、動脈硬化などの生活習慣病予防にも効果的でしょう。

 時間栄養学の観点から考えると、米でんぷんは体内時計をリセットし、朝から体をシャキッと働かせてくれることがわかっています。

 米にもタンパク質は含まれていますが、さらにおかずとして肉や魚、卵や納豆などのタンパク質をプラスすることで、より体の目覚めが良くなるといわれています。朝からごはんでパワーチャージしてはどうでしょうか。

古谷彰子

古谷彰子

早稲田大学大学院卒。早稲田大学時間栄養学研究所招聘研究員、愛国学園短期大学准教授、アスリートフードマイスター認定講師。「食べる時間を変えれば健康になる 時間栄養学入門」「時間栄養学が明らかにした『食べ方』の法則」(ともにディスカヴァー・トゥエンティワン)などがある。

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