【Q】寒くなると突然朝方に足がつって目が覚めます。肉離れを起こしたような激しい痛みです。運動して足が疲れているわけでもありません。病気なのでしょうか?
【A】足がつることを一般的には「こむら返り」、医学的には「腓腹筋けいれん」と呼びます。こむらとはふくらはぎ=腓腹筋を指すからです。ふくらはぎは第二の心臓と呼ばれ、足先に下りてきた血液を心臓に押し戻すポンプのような働きをしていて、絶えず伸び縮みしています。そのため、けいれんしやすいのです。なかには足の裏や指がつる人もいます。
足がつる原因は過度の疲労のほかに下肢静脈瘤や血管炎、甲状腺機能低下症や糖尿病、肝硬変などの病気や高血圧症やぜんそくなどの薬などがあります。
就寝中の場合は、加齢に伴う筋肉量の減少、筋肉疲労の蓄積、動脈硬化、睡眠時の発汗による電解質(ミネラル)の消費、冷えによる血流の低下などが考えられます。
睡眠中のこむら返りを回避するためには、先述したように、病気や薬が関係している場合は、まずはそれを改善することです。ですから、長期間頻繁に足がつるようなら、かかりつけの医師に相談する必要があります。
なお、高齢者は夜間頻尿が気になるのか、寝る前に水分をとらないよう心がけている場合が少なくありません。しかし、心筋梗塞や脳梗塞などを予防するためにも、寝る前にコップ1杯程度の水分を取るとよいでしょう。また、寒くなったら足を締め付けないレッグウオーマーを使用するのもよいと思います。
また、漢方薬「芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)」の服用も効果的です。足がつった時や“足がつりそうだ”と感じたときなどに、すぐ服用するのも手です。
ただし、だるさ、かゆみ、発疹などの副作用も発症しやすいので、服用する際は医師と相談することです。
(弘邦医院・林雅之院長)
健康の「素朴な疑問」