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【チャービル】胃腸の消化吸収を助け、炎症抑制効果もあり

チャービル
チャービル

 チャービルとは、フランス語でセルフィーユと呼ばれるハーブのこと。ウイキョウゼリやフレンチパセリとも呼ばれ、パセリのような苦みやエグみ、独特な香りがないので、タルトやケーキの上にのっていたり、サラダのトップに飾られていたりします。名前は聞いたことがなくても、目にしたことがある方は多いのではないでしょうか。

 チャービルとは主に葉の部分を指し、根部分はルートチャービルと呼ばれています。根は生でも食べられ、ニンジン、栗、クルミのような味だと感じるほど甘い味が特徴的。

 加熱する場合は、スープやシチュー、カレーなどに入れて使用されます。日本の根菜と同じ使い方ができるわけです。

 ヨーロッパでは、食材というよりも薬草と認識されていることが多く、その健康効果も注目を集めています。たとえば、民間療法にはなりますが、消化不良のときに食べる使い方もあります。これは、チャービルに胃腸の消化吸収を助ける効能があるからといわれています。コッテリとした料理の添え物になっているのもうなずけます。

 チャービルのようなセリ科のハーブは、アピゲニンというフラボンを含むことが知られています。アピゲニンは強力な抗がん活性を持っていて、乳がん、大腸がん、肺がん、前立腺がんなどの予防に役立つことや、炎症抑制作用があることもわかっているのです。

 添えられているチャービルだけだとどうしても口にする量が少なくなってしまうので、ハーブティーなどで煮だして飲むのもおすすめです。

 チャービルティーは、全身の血行を良くする効果が期待できますし、女性に足りなくなりやすい栄養素のひとつである鉄分も含まれているため、冷え性だけではなく貧血の改善につながる可能性もあります。

 運動効率を上げるためには体温を上昇させることが大切だとわかっています。ぜひ、運動する前にチャービルティーを飲んで、効率をアップさせてみてはいかがでしょうか。

古谷彰子

古谷彰子

早稲田大学大学院卒。早稲田大学時間栄養学研究所招聘研究員、愛国学園短期大学准教授、アスリートフードマイスター認定講師。「食べる時間を変えれば健康になる 時間栄養学入門」「時間栄養学が明らかにした『食べ方』の法則」(ともにディスカヴァー・トゥエンティワン)などがある。

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