日本では少子化対策の1つとして、政府や地方自治体主催のお見合いや出会いサービスが話題になっているようですが、アメリカ人の反応はあまり良くないようです。
2月半ばに出たCBSニュースの記事は「日本政府は、出生率回復のために結婚の仲介をするつもりだ。専門家によると、それは失敗する」というもの。手厳しい見出しで報道しています。
記事では、「各県ではAIやビッグデータを活用したお見合いサービス、独身者パーティが企画されている。会話術などデートの基本スキルを教えてくれたり、無料の写真撮影では、スタイリストやメークアップアーティストがいる場合もある」と紹介。岸田首相は低迷する日本の出生率に取り組むため、「前例のない」措置を講じるという宣言しましたが、4月に発足する子ども家庭庁は、全国の都道府県に「結婚支援コンシェルジュ」を配置、費用の75%は国が負担することも伝えています。
そして記事では、「この国の高齢化したリーダーたちは、少子化は結婚を増やせば解決すると確信している。」とバッサリ。
「日本が本当に自らを救う唯一の方法は、政策や企業経営の根底にあり続ける“男性が稼ぎ、女性が世話をする”という規範を捨てることである」という、専門家のコメントを掲載しています。
その1人、ハーバード大学の社会学者メアリー・ブリントン教授は、「スウェーデンなど仕事と家庭の両立を可能にした国々は、出生率が大きく低下することはなかった」と指摘。さらに記事では、収入が低いのが結婚の妨げになっているのは、欧米に比べて「子育てのために十分な収入を得るべきなのは男性だ」という考え方があるから、とも分析しています。
少子化はアメリカや中国を含めたすべての先進国の問題です。中でも先日、イーロン・マスクの「少子化で日本が消滅する」と警告したツイートが、世界を驚かせました。各国が自らの進む方向を見極める中で、日本人がどういう選択をするのか、今後さらに注目されるはずです。
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