花粉症がぎっくり腰を招く…座ったままできるストレッチで対策

椅子に座ったままできるストレッチ
椅子に座ったままできるストレッチ(提供写真)

 花粉がつらい……。環境省によると、花粉を飛散させるスギ雄花の芽の数は、東京、神奈川、福岡など12の都府県において、過去10年間で最多。今シーズン、花粉の飛散量が非常に多くなると予想されている。

 雄花の芽は平均と比べ、東京150%、神奈川194%、福岡191%、鳥取240%、岡山204%……(環境省の発表)。

 スギ花粉飛散のピークは東京では3月上旬から下旬と言われている。花粉症の症状にすでに見舞われている人は、そのつらさ(あるいは、今以上のつらさ)が、まだしばらく続くと覚悟した方がいいかもしれない。

 そして腰痛持ちは、くしゃみによるぎっくり腰にも注意すべき。青山一丁目カイロプラクティック院の山口博院長は、「花粉症シーズンに腰痛を悪化させたり、ぎっくり腰を起こしたりする人が多い。くしゃみをすると腰が大きく振動して、その瞬間にギクッとなるのです」と話す。

 くしゃみをすると腹直筋の強力な収縮が引き起こされ、体幹が急激に前傾する。

 くしゃみ時の腰への負担を調べた研究では、立ったまま何の制約もなく、くしゃみをした場合、20キロの荷物を持つのと同等の椎間板圧縮力(椎間板に垂直にかかる力=腰への負担)になる、との結果が出ている。

 ぎっくり腰を起こさないためには、くしゃみ時に工夫が必要だ。

「とにかく、腰の振動を最小限に抑えることです。まず、立った状態でくしゃみをする時は、骨盤に両手のひらか手の甲を当てて支え、膝を少し曲げるようにしてください」(山口院長=以下同)

 椅子に座っている時も、骨盤の真ん中に手のひらか手の甲を当ててしっかりと支える。

 日常生活で、椅子から立ち上がる時にも工夫を凝らしたい。

「腰痛持ちの方が、椅子から立ち上がる時に骨盤を後ろに下げると、相当な負荷が腰の筋肉にかかり、腰痛がひどくなったり、ぎっくり腰を起こす原因になることがあります」

 立ち上がる時は、片方の足先を膝より引いて、手の甲か手のひらをベルト辺りに置いて支え、立ち上がる。

 あるいは、少し足を開き、両手を脚の付け根に置いて上半身を少し前かがみにし、腰を丸めずに立ち上がる。

■トータル1分足らずでできる

 腰が凝っていると、腰痛を起こしやすい。また、腰掛ける時間が長い人、足を組む癖がある人も、腰痛悪化リスクが高い。ストレッチを取り入れるようにしよう。

「腰の関節と筋肉に、前後、左右、ひねる、という動きを行うストレッチがお勧めです」

 やり方は次の通り。

(1)骨盤に手のひらか甲を当て、息を吸いながら骨盤を起こす。手のひらか甲で支えて、息を吐きながら腰を下げる。前後で3回行う(写真A)。

(2)息を吸い、手の甲で軽く腰を支えるように当て、息を吐きながら体を真横に倒す。左右で2回行う(写真B)。

(3)左手のひらを左膝に当て、息を吐きながら上半身を右にひねる。息を吸いながら元の姿勢に戻し、今度は右手のひらを右膝に当て、上半身を左にひねる。左右2回行う(写真C)。

 椅子に座ったままできる。全部やっても1分もかからずできるので、仕事中、幾度となく取り入れよう。

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