東洋医学を正しく知って不調改善

体調不良に対して即効性のある2つのツボ…「大椎」と「百会」

患部から離れている場所を刺激することも
患部から離れている場所を刺激することも(C)日刊ゲンダイ

 ツボは、たとえば胃の不調があるからといって、必ずしも胃の周辺に刺激を加えるとは限りません。患部から離れている場所を刺激することも往々にしてあります。

 そのため、かつては非科学的な民間療法と勘違いされてしまうこともあったのですが、長年の研究により、近年では世界的にも医療的効用が認められるようになりました。

 ツボが有効となる症状は多岐にわたることが明らかになっており、21世紀になってからWHO(世界保健機関)でも一定の症状においてツボが有効であると認められるようになっています。

 ツボ療法には、鍼を刺したりお灸で温めたりする「鍼灸」と、指先で押す「指圧」があります。指圧は自分でお手軽にできることからセルフケアにもうってつけです。

徳江謙太氏
徳江謙太氏(提供写真)

 そこで、急な体調不良などの対処として即効性のある代表的なツボを2つご紹介しましょう。

 まず、風邪の予防や初期症状、アトピーやじんましんなどに用いられる「大椎」です。体を温め体の中にたまった熱を発散させる効果があります。

 大椎は、頚部に存在する椎骨の中で一番大きな第7頚椎のすぐ下辺りにツボがあります。

 次に、「百会」です。頭頂部の真ん中、ややへこんでいる場所にあるこのツボは、体幹の柔軟性を生み出す効果があります。

 ぜひみなさん、前屈をして柔軟性を確認した後、この百会を刺激してから再度試みてください。柔軟性がアップしていると感じるはずです。1回目より2回目、さらにこの百会を刺激し続け、柔軟を繰り返しやってみると、柔軟性がどんどん良くなるといわれています。百会は、胃下垂、便秘、下痢の対処にも有効とされています。

 ちなみに、「百」は数が多いこと、「会」は「会いが転じて合わさる」といった意味があります。つまり百会は、全身のいろいろなエネルギーが集結するツボであるわけです。

 大椎と百会、日常的に大いに活用してください。

徳江謙太

徳江謙太

日本医学柔整鍼灸専門学校専任教員。鍼灸師・柔道整復師・介護支援専門員。

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