患者に聞け

糖尿病(3)1週間で5キロ減量…“代償”は両足の靴ずれ

ウオーキングで減量もその代償が…(C)PIXTA
ウオーキングで減量もその代償が…(C)PIXTA

 春の健康診断で急激な血糖値上昇に慌てた60代会社員のAさん。専門医の受診前にウオーキングと食事制限を始めたが、その効果は最初に「目」に表れたという。

「血糖値対策を始める以前は、視力は出ても見づらい感じがありましたが、新緑が以前よりくっきりし、夜はネオンのコントラストがハッキリするように感じました」

 嗅覚も取り戻した。それまでは感じなかった飲食店から流れてくるにおい、若葉の香り、自室のにおいを感じるようになったという。

「疲れているせいか、よく眠れるようになりました。朝も60代になってから朝4時、5時に起きることが多かったのですが、6時過ぎまでは熟睡できるようになったのです。体形も徐々に変わりました。ショーウインドーに映る自分の体形は情けないほどお腹が出っ張っていましたが、それが目に見えて減っていきました。毎朝量るようにした体重も1週間で5キロは落ちたと思います」

 ぴちぴちだったズボンのウエスト回りにも余裕ができ、座るのも楽に感じるようになった。

 ただし、その“代償”も支払うことになった。

 普段、歩き慣れていないのにいきなり毎日長距離を歩くようになり、靴ずれによる血腫が両足裏の親指そばの母指球あたりにできてしまったのだ。

「しばらくはテープを貼って、厚手の靴下をはいて痛みを抑えようとしたのですが、血腫が大きくなっているようで……。糖尿病の知人は、足の傷を軽く考えているうちに足先が壊死(えし)して足を切断した。そのことを思い出しました」

 怖くなったAさんは、自宅近くの知り合いの皮膚科医院の医師に急きょ、診てもらったという。

「血腫の周りに水疱があり、細菌が増殖している恐れがあるかも、というので、切開して治療してもらいました。医師には『ただの靴ずれだけれど、糖尿病があるのなら注意した方がいい。5日程度は無理しないで』と言われました」

関連記事