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漢方薬の間違った服用方法…飲み合わせ、量、タイミング

本来、漢方薬は白湯で服用する
本来、漢方薬は白湯で服用する

 よくあるのが、間違った飲み合わせです。本来は白湯で服用するところを、お茶やジュースなどで飲む。健康食品やハーブ、西洋薬を一緒に飲む。

 いずれも、お互いの成分が反応し合うリスクがあるため、漢方薬の本来の効果が発揮できなかったり、不良反応や副作用を引き起こしたりする恐れがあります。もしすでに服用している薬がある場合は、漢方薬と一緒に飲んでも基本的に問題がないか、薬剤師に必ず相談をしてください。

 飲むタイミングも、間違いが多い。食前(食事30分~1時間前)、食間(食後2時間)、空腹時と、どのタイミングがいいのか。事前に確認をしましょう。

 一度に飲む量を間違って飲む、というものもあります。例えば、飲み忘れたので1回で2回分の量を飲んだり、効き目が弱いからと自己判断で飲む量を増やしたりする。不良反応や副作用のリスクの心配が出てきます。

王瑞霞氏
王瑞霞氏(提供写真)

 さらに、以前処方してもらった漢方薬を、今回も同じような症状だからと残っているものをまた服用する。自分と同じ症状がある家族などに譲る……。たとえ同じ症状でも、時間が経過すれば体質も変わります。自分とは違う人の場合なら、なおさらです。このことを漢方では、同じ症状でも「証」が異なるといいます。

 証とは、自覚症状や外部からの所見に、体質、体力、抵抗力など個人差を加味した漢方医学独特の用語で、証が異なれば漢方処方も異なってくるわけです。

 漢方薬は安全、というイメージがあるかと思いますが、薬である以上副作用があります。間違った服用をすれば、思わぬ副作用が発生するリスクがあることを念頭に置いていただきたいと思います。

王瑞霞

王瑞霞

日本医学柔整鍼灸専門学校鍼灸学科専任教員。中国山東中医薬大学卒業。中国北京中医薬大学大学院修了。日本大学医学部医学博士。鍼灸師、登録販売士。

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