いつまでも健康ではいられない…今から備えておくべき「3つのこと」

手前から丸尾さん、戸牧さん、有岡さん、西村さん(提供写真)
手前から丸尾さん、戸牧さん、有岡さん、西村さん(提供写真)

 老いて思うように体が動かなくなったら……。健康な時はピンときていない人が大半だろう。老いに備えてやるべきことは? 「まるちゃんの老いよボチボチかかってこい!」を出版した丸尾多重子さんに話を聞いた。

 ◇  ◇  ◇

 介護に関わるさまざまな人が集い、手作りのランチを食べながら本音を話せる場として、丸尾さんが「つどい場さくらちゃん」を兵庫県西宮市で開いたのは2004年3月。両親と兄を10年間在宅介護した経験がもとになった。現在は、丸尾さん、そして丸尾さんをサポートする3人の仲間(通称「フォーエバーレディース」)が中心となり、活動している。

 丸尾さんが人生初の入院をしたのは2021年10月。転倒し、「手が痺れて力が入らずコップを落とす」、さらに数度のてんかん発作を起こしたため、検査入院となったのだ。この時ははっきりとした診断名はつかず、退院後は介護認定を受け、要支援2となった。

 新たに異変が起きたのは、その年の12月30日午前3時過ぎだ。

「入浴し、湯を抜いて浴槽を洗い立ち上がろうとしたら、足が踏ん張れない。『湯を抜いて浮力がないからや』と湯を張っても無理。美容院の予定があり、朝9時にフォーエバーレディースの仲間が来ることになっていました。お湯が冷めないように追いだきをし、迎えを待ったのです」

 8時、フォーエバーレディースの有岡陽子さんが丸尾さんを発見。しかしギックリ腰治療中で対処できない。連絡を受けて駆け付けたほかの2人、西村早苗さんはペースメーカーを入れたばかりで、最終的に最年長で当時80歳の戸牧一枝さんが渾身の力で引っ張り上げ、要支援2でレンタルしていた車椅子へ乗せ、病院へ急行。CT検査で慢性硬膜下血腫と診断され、手術となった。

 慢性硬膜下血腫は、頭蓋骨内の硬膜と脳の表面の間に血液がゆっくりとたまっていく病気だ。

「症状として『足の重だるさ』『昼間の異常な眠気』『ぼーっとする』『てんかん』などがあると聞き、すべて納得がいきました。主治医からは、慢性硬膜下血腫は『転倒で頭を打って』というイメージが強いが、私のように頭を打っていなくても起こる可能性があると言われました」

関連記事