ニューヨーク市内の幼稚園から高校までの公立校で、マインドフルネスが必修になることが決まり、話題を呼んでいます。
ニューヨークの公立校は6月末から夏休みに入りましたが、その授業最終日の会見で、アダムス市長が発表したものです。それによれば今後、毎日2~5分間のマインドフルネスの呼吸法を、学校で行うことを義務付けるということです。
アダムス市長は、「私たちは、有害なソーシャルメディアのコミュニティに生き、絶え間ない事件などのニュースにさらされ、そのすべてが子供のメンタルヘルスを蝕んでいる。生徒たちの神経を落ち着かせる時間が必要だ」とその意図を説明。
マインドフルネスの呼吸は、まず身体を、そして心をリラックスさせる即効性があるとされています。また呼吸と共にストレスをもたらす思考を観察し、それに注意を向けるかどうかを選択する能力を身につける、つまり自分とストレスの間に距離を置くこともできます。さらに呼吸に意識を向けることで、物事に集中する訓練にもなることがわかっています。
秋の新学期に向け、こうしたマインドフルな呼吸法の専門家育成プログラムが、すでに市内全域で始まっていることも発表されました。
アメリカCDCによれば、5歳から17歳の子供たちの15%が、何らかのメンタルヘルスの問題で治療を受けています。この数字は年齢が上がると共に上昇し、国立精神衛生研究所によれば、18歳から25歳の若者は3割がメンタルの症状を経験。コロナ禍を経て悪化する子供や若者のメンタルの現状に懸念が高まっています。
マインドフルネスが必修科目になることで、こうした状況が少しでも緩和されることを、ニューヨーカーは願っています。
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