患者に聞け

狭心症(5)「毎晩、妻とビール2本の晩酌は継続しています」

妻とビールでの晩酌は継続中
妻とビールでの晩酌は継続中

 都内の循環器専門病院で、東海林治郎さん(仮名.68歳)はこの3月、「狭心症」のカテーテル治療を受けた。

 この病院は、狭心症治療の入院期間を、症状の軽重によって3泊4日、2泊3日、1泊2日、または日帰り入院と決めている。東海林さんの場合、幸い症状が軽く、しかも早期治療を選択したために1泊2日で退院した。入院費用は2割負担で、約3万円を支払った。 

 退院日、妻が付き添ってくれた。担当医師から診察室で「退院後の療養上の注意点」として、「塩分の取り過ぎは体からの水分の排泄の妨げとなり、浮腫の原因になります。薄味の食事を心がけ、味噌汁なら1杯、ラーメンの汁は飲まないこと」と指導された。

 ほかに、食事は高タンパク質、低カロリーのもの、枝豆や豆腐がおすすめ。ただし、動物性脂肪(バター、生クリーム、肉の脂身)は控える……といった細かいアドバイスを受けた。最後に、「休日や夜間でも、具合が悪くなった場合はご連絡ください」と伝えられた。

「この治療から3カ月が過ぎましたが、症状に別条はありません。晩酌はほとんど毎晩で、妻と2人で缶ビールを2本ぐらいです。朝から酒を一升ほど飲んで体を壊した父を見ていましたから、酒には注意しています」(東海林さん)

 東海林さんの妻は、夫の健康を心配するあまり、食事にはことのほかうるさくなったという。

「退院後、妻が作る味噌汁はほとんど塩味がなくなり、これには困りました。それでも妻の目を盗み、ちょっと味噌汁に醤油を入れたりしていますが」

 東海林さんは胸のあたりを軽く押さえながら、ニコッと笑顔を見せた。(この項おわり)

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