令和6年能登半島地震で犠牲になられた方々、被害にあわれた皆様に、心よりお悔やみとお見舞いを申し上げます。
水や食料など物資が不足していると聞くと心配になるのは、女性の生理用品の供給は大丈夫か?ということです。
今世界的に自然災害が増え、避難生活を余儀なくされている人が少なくありません。一方で、気候変動や政治の混乱による難民が増加しています。貧困も広がりを見せています。そんな中で知られざる問題となっているのが、生理用品へのアクセスの欠如です。
世界銀行の調べでは、世界で5億人もの人が生理用品と清潔なトイレを利用できていません。アメリカでは1000万人以上の女性が、食べ物を買うために生理用品を犠牲にしていると見られています。
女性にとっての必需品にスポットが当たらない大きな理由は、生理に対する意識にあります。
日本では、2012年に内閣府が発表した「東日本大震災における災害応急対策の主な課題」で、「避難所に生理用品がない」「届いても男性が配布しているために、もらいに行きづらい」という問題点が指摘されました。生理用品は隠すべきものという感覚が、アクセスを妨げていたのです。
また男女の意識の差も明らかになっています。
同年に仙台市が実施した東日本大震災に関するアンケートでは、「避難所に必要な物資」として「生理用品」と答えた男性は、女性の約7分の1でした。
実はアメリカも同じ課題に向き合っています。
昨年8月にハワイ・マウイ島で起きた大規模な火災では、ジェンダー平等運動団体が生理用品の寄付活動を行いました。この団体では、生理を汚いものと考える誤解をなくすために、図書館などあえて目立つところに箱を置いて、一般からの寄付を募りました。
自然災害は避けられません。せめてこれを機に生理に対する意識が変わってくれればと願っています。
ニューヨークからお届けします。