病気と共に生きていく

ある日を境に高熱が続くように…検査をしても原因不明

三尾希さん(提供写真)
三尾希さん(提供写真)
三尾希さん(29歳)=全身性エリテマトーデス

 子供の頃から病気知らず。それが2019年9月、突然、仕事中にこれまで感じたことがない不調に襲われたんです。前日まではまったく元気だったのに。早退し、ドラッグストアで体温計を買い、測ると40度近くの高熱。自宅近所の内科クリニックを受診し、血液検査をすると、ウイルス性の炎症反応が出ました。しかし診断名はつかず、とりあえず解熱剤を処方してもらいました。

 それ以降も発熱は続いていましたが、解熱剤を服用すると熱は引いていたんです。状況が変わったのは11月に入ってからです。

 頻繁に40度くらいの高熱が出るようになり、クリニックで診てもらいましたが、病名がわからない。だから会社へ休みの申請もできない……。朝5時に起きて解熱剤を飲み、そうすると7時にはなんとか起きられ出社の準備ができるといった具合で、でも解熱剤が切れるとガーッと熱が上がるんです。深夜も高熱で発汗し、たびたび目が覚めました。ゼリー飲料が、常温でも冷たく感じたのを覚えています。

 その頃から関節痛と、二の腕の紅斑も出てきました。熱は内科、関節痛は整形外科、紅斑は皮膚科。それらの症状がひとつの病気から出ていると思ってもいませんでしたから、受診するのは別々の科。ほかにもいろんな症状があることを私は先生に伝えないし、先生も知らない。体重は8キロも落ち、フラフラした状態で、何かが起こっているのはわかるが、それが何かがわからない。

 そんな時、右目が見えにくいという症状も出てきたんです。網膜に問題があるのではと眼科を受診すると、「これはうちで対応できるものではない。大きな病院を受診してほしい」と言われました。その足で少し大きな病院へ行くと、通常の外来は終了しており、緊急で医師を呼んでくれました。

 すぐに検査となり、血液の一部が詰まっていて、そのため目の症状が出ている可能性がある、と。血栓が脳に飛ぶと脳梗塞を起こす恐れがあるとのことで、MRIを撮ってもらったのですが、それでは異常が見つかりませんでした。結果、そのまま1人暮らしの自宅に帰ることになったんです。しかし、血栓があるという言葉から、このまま死んでしまうんじゃないか、寝たらもう目が覚めなくなるんじゃないかという恐怖でパニックをきたし、翌朝、自分で救急車を呼び、脳の検査をしてくれた病院へ搬送してもらいました。

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■全身性エリテマトーデス

 免疫系の異常で本来、体を守る免疫系が自分自身を攻撃し、全身のさまざまな臓器に炎症や障害を起こす。症状は多彩で、よく見られるものとしては発熱、全身倦怠感、関節痛、皮疹、光線過敏症、脱毛、口内炎。顔面に出現する蝶々の形をした皮疹(蝶型紅斑)も多い。

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