病気と共に生きていく

免疫抑制剤で痛みが緩和…こんな“よろい”を着ていたのかと愕然

表現活動が日々の支えに(山本さん提供)
表現活動が日々の支えに(山本さん提供)
山本和男さん(66歳)=若年性突発性関節炎(若年性リウマチ)

 小学5年生でリウマチが再燃。そんな中、母は人づてに聞いた情報から、県外の病院、鍼灸などの漢方治療医などにも連れていってくれました。しかし、際立った治療効果もないままでした。

 中学、高校となんとか通うことができましたが、通学、教室の移動が困難で、当時の思い出といえば学校の木の床にある節目模様、階段の上り下り……。特に下りる時の恐怖は痛みを伴うので強く記憶としてあります。早く卒業し治療のみに専念したいと願いながらの学校生活でした。

 高校卒業後は家で養生に専念する生活を送っていました。就労は困難でしたが、働きたいという思いは常にありました。が、それがままならず常に葛藤。できる内職や仕事を探し、短期の就職を繰り返しました。それは激しい痛みを伴ったものでした。

 その時の心の支えは何かしらの表現活動だったように思います。体調のよい時など、カメラで近場の風景などを撮影していました。写真家の荒木経惟さんの「私写真」、リウマチを患っていたルノワールなどには感銘を受けました。出口の見えない日々の支えでした。

 そんな中、地元のリウマチ友の会に入会。今の主治医と巡り合いました。ちょうど、免疫抑制剤がリウマチに効果があると話題になり始めた頃です。

 私も免疫抑制剤メトトレキサートを処方していただき、座薬を併用しながらの治療が開始されました。やがて少しずつ痛みが和らぎ寛解も経験できました。痛みが取れると、日々こんな“よろい”を着て生活していたのかと、愕然とさせられました。その後「リウマトレックス」と名前は変わりましたが、抗リウマチ薬を主に継続。しかしながら、少しずつ薬への耐性がついてくるのか、効果が薄れ、検査結果を見ながら副作用にも注意してもらい、投与の量が増えていきました。

 当然ながら、飲んだ後の不快感など副作用は結構きつい時もありました。そして2016年帯状疱疹を発症し、リウマトレックスの投与は終わりました。代わって新薬だった抗リウマチ薬の「イグラチモド」に切り替えてもらい、現在に至ります。

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