病気と共に生きていく

なんでこんな肌に生まれついたんだろう…どう生きたいのか見直した

「skin」/(提供写真)
榊原愛さん(39歳)=アトピー性皮膚炎

「skin」(写真)と名付けたこの作品は、アトピー性皮膚炎の悪化で家に閉じこもっていた時期に構想を練ったものです。

 いつ治るか分からず不安で、誰にも会えないから、気がおかしくなりそう。肌がかゆくてかゆくて、でも、かいたらぐちゃぐちゃになって、もっと悪化してしまう……。気持ちを紛らわせられ、両手が塞がり、かくのを避けられるもの。それが絵や編み物による表現方法でした。

 物心ついた頃には、もうアトピー性皮膚炎でした。ずっと薬を使い続けてきたんです。しかし、どこへ行くにも薬を手放せない生活を見直したいという気持ちがありました。

 かかっていた病院の皮膚科医が高齢で入院してしまったのも、ひとつのきっかけになりました。近場に専門病院がなかったため、内科のクリニックになんとかお願いして出してもらっていた薬が合わなくなってきたんです。耳たぶがアカギレみたいになり、薬を塗っても治らず、全身の乾燥状態がひどくなって……。

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