「がん」が嫌なら舌を磨け 岡山大歯学部が研究結果を解明

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写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

「がんで死にたくなけりゃ舌を磨け」――。こんな研究結果が発表された。

 岡山大学歯学部の森田学教授らの研究グループが健常者65人の口の中と呼気を調査。舌の上にコケのように付着している汚れ「舌苔」の面積が大きい人は面積が小さい人に比べて呼気中のアセトアルデヒド濃度が高いことが分かった。アセトアルデヒドは発がん性物質で、人体に長期間触れると、がんを発生させることが分かっている。

 同グループの共同研究者の江國大輔氏に解説してもらった。

「人間の口の中にいる細菌が舌苔を栄養分として体内に取り込み、排泄する際にアセトアルデヒドを発生させるのです。舌苔が多いほうがアセトアルデヒドが増えるということは、がんになる危険性が高いということ。喉頭がんや咽頭がん、舌がんといった口の周辺のがんが考えられますが、今後の研究によっては肺がんや胃がんなどとの因果関係も見つかるかもしれません」

 口の中が乾きやすい人ほど舌苔が増える。中高年に多い口臭もアセトアルデヒドの影響と考えられるという。子供から「口が臭い」と言われる人は要注意だ。

 逆に言うと、口の中をきれいにして舌苔を除去していれば、がんの危険性を抑えられるということだ。江國氏は口が乾きやすい人はうがいなどで潤いを与え、食事のあと水を飲んで舌についた汚れを洗い流すことを推奨する。

「歯磨きのときに歯ブラシで舌を掃除するのは禁物。激しく磨くと舌が傷つき、がんができてしまう可能性があるのです。指のツメで舌苔を削ると、舌を傷つける上にツメに入っているバイ菌が侵入してしまいます。一番いいのは薬局などで売っている“舌ブラシ”を使い、一定方向に優しく舌を磨くこと。舌ブラシは数百円で買えます」(江國大輔氏)

 がん家系の人は今夜から舌をブラッシングだ。

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