“抜かずに”でトラブル急増 「子供の矯正」正しい歯科医選び

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 子供の歯の矯正を考えている人は、医師選びに気を付けるべきだ。不適切な矯正歯科治療によって顔の形が変わったり、歯が噛み合わないトラブルを抱えた子供は多いという。

「近年、不十分な検査や診断による安易な矯正歯科治療が増えているという危機感が、矯正歯科治療を専門に行う医師の間で高まってきました」

 日本臨床矯正歯科医会・前田眞琴副会長(前田矯正歯科クリニック院長)が警鐘を鳴らす。

 同会が会員診療所に対し、昨年1年間に転医の相談があった18歳までの子供517人の調査を行ったところ、半数以上が検査、診断、治療技術、診療態勢が不十分な「不適切な矯正歯科治療」を受けていたと判断されたという。「治療内容そのものに不満やトラブルを抱えている」というケースも8割近くに上った。

 たとえばA子さんは噛み合わせが悪く、幼稚園のころから夜間マウスピースを使用。12歳の時、非常勤だった担当医が退職する際に「夜間のみ装置の使用」を指示して治療は終了した。ところが、13歳のときに虫歯治療に訪れた診療所で「不正咬合」を指摘された。現在、A子さんの治療を行っている同会・稲毛滋自理事(いなげ矯正歯科医院院長)が言う。

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