現在、最も処方されている糖尿病治療薬のDPP4阻害薬ですが、心筋梗塞や脳卒中を予防するというデータはありません。プラセボ(偽薬)と同等という結果があるだけです。さらに、この薬では驚くべき結果が示されています。
心不全による入院は、DPP4阻害薬群で3・5%、プラセボ群で2・8%と、DPP4阻害薬を飲んだ群で増加しているのです。
相対危険は1・27と、心不全を27%増やすという結果です。だから、心血管疾患を増やすことなく安全というのも、実はウソなわけです。
また、入院が必要になる重度の低血糖は、DPP4阻害薬群で0・6%、プラセボ群で0・5%と、薬を飲んだほうが多いと報告されています。DPP4阻害薬は低血糖を起こしにくい薬として宣伝されていますが、従来の治療に追加した場合には、他の薬と同様、低血糖のリスクを増加させていたのです。
このDPP4阻害薬の心不全や低血糖増加の危険については、あまり情報が流されません。医者も案外知らずに処方していたりしますから驚きです。
DPP4阻害薬が最も使われている事実に対して、もし言い訳ができるとすれば、血糖を下げる効果は明らかで、網膜症や腎症についての効果を期待して使えばいいという理屈は成り立ちます。 しかし、残念ながら今のところそれすら示されていません。それは事実に基づいているわけでなく、単なる予想や期待に過ぎないのです。
医療数字のカラクリ