正しい運動で健康寿命を延ばす

【肩凝り対策】肩周辺の筋力不足を鍛えてカバーする

写真は「定年後が180度変わる 大人の運動」から

 肩凝りは、肩関節を積極的に動かすことで予防できる。中高年が悩む四十肩、五十肩も運動次第で予防可能だ。

「パソコンの操作などで腕が前にある姿勢を続けると、柔軟性や筋力のアンバランスが起こり肩甲骨が前方に引っ張られるようになります。すると周辺の筋肉が絶えず緊張して血行が悪くなり、筋肉に酸素や栄養が十分に運べなくなることで、痛みや凝りを感じるのです。また、中高年になると骨や靱帯、腱の老化によって炎症が起こります。その最大の原因は肩周辺の筋力不足なので、鍛えればカバーできます」

◆ペットボトルサイドレイズ(三角筋強化 その1)

 肩関節を取り巻く三角筋を鍛えることができる。

①スタートポジションは椅子に座り、両手それぞれに中身が入った1・5~2リットルのペットボトルを持って腕を横に垂らした状態。このとき膝は腰幅に開き、足裏は床につけて胸を張って背筋を伸ばす。②姿勢を崩さず、鳥が羽を広げるようなイメージで4秒かけてペットボトルを肩の高さまで持ち上げる(写真①)。さらに4秒かけて①に戻って1回。20回を1セットとして、1日2セットが基本となる。所要時間5分20秒。これが物足りない人は次の運動を行う。

◆ペットボトルショルダープレス(三角筋強化 その2)

①前出の運動とは腕の動きが変わる。椅子に座り、両肘を直角に曲げてペットボトルを耳の位置で静止。②そこからバーベルを持ち上げるイメージでペットボトルを4秒かけて上へ押し上げ、また4秒かけて戻す。20回1セットとして1日2セットが基本。

写真は「定年後が180度変わる 大人の運動」から
◆ペットボトルロウイング(僧帽筋強化)

 僧帽筋は首から肩と背骨をつなぐ大きな三角形の筋肉になる。

①スタートポジションは、両手にペットボトルを持って立ち、足を肩幅に開いて軽く膝を曲げ、肩の真下にペットボトルがくるように上体を前かがみにする。背筋を伸ばすのが肝心。②脇を開き、肘を先行させて肩甲骨を寄せながら4秒かけて腕を背中側に引き、また4秒かけて①に戻して1回(写真②)。20回1セットとして1日2セットが基本。

 いずれも、自分に合わせてペットボトルの重さや回数を増減してOK。

 次回は肩凝り対策トレーニング後に行うストレッチを紹介する。

中野 ジェームズ修一

中野 ジェームズ修一

1971年、長野県生まれ。多くのアスリートから支持を受けているPTI認定プロフェッショナルフィジカルトレーナー。株式会社スポーツモチベーション最高技術責任者。米国スポーツ医学会認定運動生理学士。多くのオリンピック選手や青山学院大学駅伝チームの箱根駅伝連覇を支えるなど、アスリートから絶大な信頼を寄せられている。「100トレ 医師とトレーナーが考えた100年時代の新健康体操」(徳間書店)が発売中。

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