副作用とは、予期しない作用や目的としている効果以外の作用を指します。有害事象である場合も少なくないので、患者さんがつらい思いをすることもあります。
自分もつらい思いをした上に、周りに迷惑をかける可能性がある副作用に、「眠気」が挙げられます。
副作用の強い眠気によって、クルマの運転中や仕事中に事故を起こし、周囲に危害を加えてしまう可能性もあります。実際、著名人が薬を飲んでからクルマを運転して事故を起こしたというニュースを耳にしたことがある人も多いのではないでしょうか。
眠気の副作用がある薬で、特に注意が必要なのは鼻水やかゆみを抑える「抗アレルギー薬」です。花粉症の季節が近づいてきて、症状を緩和するために服用する人も多いでしょう。また、市販の総合感冒薬にも抗アレルギー薬が含まれているものが多いので、知らず知らずのうちに抗アレルギー薬を飲んでしまっているということもあるかもしれません。
鼻水やかゆみで抗アレルギー薬を処方された人が、風邪をひいて市販の総合感冒薬を服用することで2つの薬の作用が重なり、さらに強い眠気が表れるケースもあります。それまで、どちらか一方の薬を飲んでも副作用が出たことがない人も注意が必要です。
ほかにも、「てんかん治療薬」や「抗うつ薬」など、眠気の副作用を起こす薬はたくさんあります。眠気の副作用で周りに迷惑をかけないためにも、薬を服用する際は、どんな副作用があるのかをしっかり確認して、用法や用量を正しく守ってください。耐えられないような強い眠気が表れることもありますから、「たかが眠くなるくらい……」と甘く考えてはいけません。
また、当たり前ですが「睡眠導入剤(眠剤)」は眠くなります。使い方を誤って、「飲んでから活動して、眠くならない」という不眠症の患者さんが時々いますが、これは使用法が不適切です。眠剤は、飲んだらすぐに布団に入らなければなりません。
副作用をなるべく起こさないようにするには、できるだけ適切に薬を使うことが大切なのです。
クスリと正しく付き合う