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益子直美さんも悩んだ五十肩は「どうせ体操」で症状軽減

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写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

【Q】肩が痛くて腕を上げられません。元バレーボール選手の益子直美さんがブログで五十肩の症状について書いているのを読んで、もしかして……と思っています。 (50代女性)

【A】いわゆる五十肩は、肩の痛みに加え、関節の可動域が狭くなる状態。内視鏡技術の進歩で、肩の骨の内側にできたトゲ状の突起「骨棘」が一因だと分かりました。

 骨棘で腱板という肩の中にある腱がこすれ、痛みや炎症が起き、肩を動かしづらくなるのです。

「四十肩」も全く同じ状態で、30代から80代まで、誰にでも起こり得ます。益子直美さんのようなスポーツをやっていた人でも、例外ではありません。

 通常、強い痛みのある急性期が約3カ月、次に肩を動かしづらい慢性期が6カ月。その後、回復期に入り、1~2年ほどで痛みが治まり、動きが良くなります。

 このように五十肩は自然と治る場合が多いのですが、腱板の損傷が大きく、治らない人も2割程度います。

 その重症例に対して、これまでは病院でも治しようがなく、痛み止めを処方するしかありませんでした。

 しかし、今は骨棘を削る内視鏡手術で治すことが可能です。15年前から私は始めていますが、実施している医療機関はまだまだ少ないです。

 五十肩の長引く痛みに苦しんでいる人は、ぜひ手術を行っている機関を探してみてください。

 長期化・重症化させないためには、急性期でも腕を垂らして軽く肩を動かすことです。腕を下ろして「前ならえ」のように肘を垂直に曲げ、手のひらを上に向けて体の前から横に動かす体操(どうぞ体操)がお勧めです。肩を温めるとヒアルロン酸が分泌し、関節の滑りが良くなるので、入浴中に体操するのもよいでしょう。

 冷や汗が出るような痛み、また眠れないほど強い痛みは、五十肩ではなく、心筋梗塞などの症状かもしれません。すぐに医療機関を受診してください。

(自治医科大学・神戸克明特命教授)

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