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風邪で発熱…湯船につかったり髪を洗ったりするのはNG?

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写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 日本では昔から「風邪で熱のある時は入浴してはいけない」といわれてきました。だが近年、さまざまな学会や厚労省の研究班などで科学的評価が行われ、風邪に限っていえば、“入浴が経過に悪影響を及ぼす”というはっきりした報告は今のところありません。

 風邪を早く治すためには、免疫力を高めることが非常に大切。人の体は体温が上がると免疫力がアップします。だから、風邪のひき始めや熱が下がった回復期など、症状が軽い時には入浴で体を温めるのはいい。

 ただし、気をつけることがあります。それは、あまり熱い風呂に長時間入り過ぎないこと。体力を消耗してしまうので、風邪の時には、38~40度くらいのぬるめの湯に5分ほどつかるだけにします。

 気をつけたいのは湯冷め対策。体を温めても、湯冷めしてしまっては体調は悪化する一方です。あらかじめ脱衣所は暖かくしておきましょう。

 洗髪は構いませんが、髪を素早く乾かすことが大事。体を拭いたと思っても、風呂上がりはしばらく汗をかきます(2次発汗)。体を拭いたら、吸水性の高い肌着やパジャマを着るように。できれば風呂上がりは10分くらいバスローブを着て、2次発汗がおさまってから新しいパジャマに着替えるのがベストです。足元が冷えないように、足もよく拭きましょう。

 風呂上がりには水分補給を忘れずに。脱水状態は免疫力の低下を招き、風邪の回復を遅らせることにもつながります。コップ1杯の常温の水または白湯を飲むようにしてください。

 なお、入浴は疲れるので、無理は禁物。入浴したいと思った時に入浴を。「38度以上の高熱が出ている」「吐き気や下痢の症状がある」「頭痛がある」といった時は、入浴を避けてください。たとえ38度を超えなくても、熱で頭がフラフラするような場合は入浴は控えるようにしましょう。

▽〆谷直人 国際医療福祉大学熱海病院検査部部長。日本臨床検査医学会認定臨床検査専門医・臨床検査管理医

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