ステージⅣがん治療を断るとどうなる

自宅で2種類のマッサージを開始…顎の腫れが徐々に小さく

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写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 食事と筋トレで免疫力アップを高め“がんを克服する”という私のプログラムは、嚥下(えんげ)障害で一時の頓挫を余儀なくされた。それでも免疫力を高める方法はある。話を戻すと、大学病院の医師に言われたのはこうだ。

「大学病院は病気を治すために、それに沿ってプログラムを立て、治療する。治療をしないという方は受け入れられない。がんの治療を受ける気はないのですね」

「治療の時期は過ぎているので、やっても結果は分からない」

 元日に駆け込んだ大手民間病院の受付には大きな張り紙があり「患者さんの権利」6カ条が書かれていた。その中には「ご自分の希望を述べる権利」「医療内容をご自分で決める権利」……。現在、我が国には約32万人の医師がいる。その中に“本当の医師”はどのくらいいるのだろう。

 大学病院の医師はこうも言った。

「PET検査(陽電子放射断層撮影)を受けてから2日後に来てください。栄養を入れたから大丈夫でしょう」

 全く栄養の取れない私を、さらに3日間放置しようとする。バトルを繰り返した結果、その後、毎日点滴を受け、栄養を注入するチューブを胸の皮膚の下に埋め込むCVポートの手術をすることにこぎつけた。約1時間ほどの手術の後、2日間入院したが、最後の言葉はこうだった。

「呼吸ができなくなったとか、悪くなっても、うちでは受け入れませんよ。これが最後ですよ」

 退院後は自宅で夜、CVポートで約10時間の高栄養素の点滴を行っている。昼の時間は起きて原稿を書いたり、軽いストレッチ運動。日を追うごとに体は生気を取り戻しつつある。うがいをしただけで強烈にむせて咳(せ)き込んでいたのだが、それもなくなった。左頚部の腫れも徐々に小さくなっている。これは退院後、免疫力を高めるために自宅で新たに始めた2種類のマッサージの効果ではと思っている。それは、以前取材をした日本酒と薬草(漢方入浴剤)によるマッサージなのだ。

笹川伸雄

笹川伸雄

ジャーナリスト。1946年、宮城県生まれ。医、食、健康のジャンルを得意とし、著書に「妙薬探訪」(徳間文庫)など

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