基礎代謝が最も高いから 春にダイエットを成功させる7カ条

4月は基礎代謝が一年で最も活発
4月は基礎代謝が一年で最も活発

 4月は一年で最も基礎代謝が活発になる季節だ。ダイエット効果が早く表れ、体形も変わりやすいためモチベーションが維持しやすい。ダイエットをスタートするにはもってこいの季節だが、具体的に何に気をつけたらいいのか? 栄養指導士として多くの患者の肥満指導に携わり、時間栄養学の研究者でもある古谷彰子氏に話を聞いた。

■目標は1カ月2~3キロ

「1カ月で数十キロなどというむちゃな減量目標を掲げてはいけません。人間の体は、現状を維持する機能(恒常性)を保とうとするので、いきなり大幅減量すると、体の危機を感じて適量の食べ物を口にしただけでも、なるべく元の体重に戻ろうとしてしまいます。いわゆるリバウンドです。それを防ぐには恒常性をつかさどる脳をだます必要があります。大幅減量と体が感じない程度の1カ月2~3キロ減量のペースを保ちましょう」
 ダイエットに挑戦する人は、最初に何をどれだけ食べずに我慢するかを考えがちだ。しかし、やせるために大切なのは体の機能を理解した上で目標値を設定することだ。

■朝食は12時間の断食後

「その起点になるのが朝食です。朝は太陽光をしっかり浴びて食事を取ることで1日24・5時間の体内時計のズレが、24時間にリセットされます。まずはしっかり朝食を取りましょう」
 体は一日で一番長い断食後の食事を「朝食」と認識する。毎日の断食時間が長いほど体内時計のずれを調整する力が大きくなる。しかも消化器官を休め、細胞内でエネルギーを作るミトコンドリアの活動が効率的になるなど、脂肪が燃えやすい体質に変わっていく。
「毎日の断食時間を12時間とすると、午前6時に朝食を取る人は午後6時までに夕食を食べ終えなければなりません。“それは無理”という人は最初からあきらめず、断食時間を8時間くらいからスタートしましょう。通勤時間の長い人は朝食用弁当を持参。会社近くで食べるのも手です」

■急激に血糖値を上げる食べ物、食べ方をしない

 急激に血糖値が上がると本来エネルギーとして使うべき糖分が体内で余ってしまい、脂肪として蓄積される。急激に血糖値が上がる、うどんなどの麺類やカレーライスやカツ丼などの丼ものを食べるときは、必ず食物繊維が豊富なサラダを一緒に食べるようにすべきだ。
「このような食事の前にサラダを食べることで、血糖値の上昇を抑えるだけでなく、食べる量も少なくできます。グリーンサラダにノンオイルドレッシングがおすすめです」

■朝食は豪華に夕食は質素に

「食事はバランスが重要。1回の食事で炭水化物、タンパク質、脂質の割合は6対2対2程度にしましょう。時間栄養学的に3食のボリュームは4対3対3が一番良いとされています。ただ、夕食は大切な家族だんらんの時間としている人も多いので3対3対4でもよいでしょう。夜は脂肪が蓄積されやすい時間なので、朝食とは逆に低エネルギーで炭水化物や脂質が少ないものを食べる。ビタミン、ミネラルの吸収効率が良い時間なので、エネルギーを効率よく産生してくれるビタミンB1を積極的に取りましょう。脂肪をためこむ働きをする体内時計遺伝子ビーマルワンは起床14~18時間でその数が最大になる。夕食でドカ食いすると脂肪をためこむことになります」

■摂取エネルギー量は週単位で調整

 成人男性の理想の摂取エネルギー量は1日当たり2200プラスマイナス200キロカロリー程度。
 しかし、これを毎日守るのは難しい。仕事をしている以上、接待もあれば同僚との食事会もある。
「日々の凸凹には目をつむって、1週間の摂取エネルギー量を日々の7倍である1万5400キロカロリーになるよう調整することです。週に2日程度なら普段より多めに飲み食いしても、残り5日で食事を調節すれば体重は大きく増えないことがわかっています」

■飲み会当日での食事

 取った食事が次の食事に影響を与えることを「セカンドミール効果」と呼ぶ。飲み会前の食事で血糖値を上げにくくする食物繊維とタンパク質を多く取ると、次の食事である宴会食を食べても血糖値が急激に上昇しづらくなり、脂肪がつきにくくなることが期待できる。
「その日のエネルギー量を取りすぎないよう、飲み会当日の朝食はご飯やパンなど糖質の多い食べ物を控え、その分タンパク質などのおかずを取りましょう。またアルコール分解のためビタミンやミネラルが必要になります。野菜はほうれんそう、トマト、ブロッコリーなどの緑黄色野菜をたくさん取りましょう」

■睡眠を十分取り休日に寝だめしない

「睡眠時間が短いと食欲抑制ホルモンのレプチンの分泌が低下し、食欲増進ホルモンのグレリンの分泌が増えることが報告されています。寝だめは睡眠負債とも呼ばれ、体内時計を狂わせます」

関連記事