「令和30年」のニッポン

治療薬が保険適用に「がん死」令和ではどこまでが減るか

オプジーボ
オプジーボ(C)共同通信社

 37万3334人――。2017年に「がん」で亡くなった人の数(人口動態統計)だ。全死因中のトップで、男女別では男性22万398人、女性15万2936人。男性の方が1.5倍多い。

 部位別では、男性が1位=肺、以下、胃、大腸、肝臓、膵臓と続く。女性は同じく大腸、肺、膵臓、肝臓、乳がんの順。がんで命を落とした家族や友人がいる人は思い当たることがあるだろう。

 がん死は、第2次世界大戦以降、全国で一貫して増えている。1981年以降は、死因の1位を続けており、日本人にとっては忌まわしき存在といっていいだろう。

 だが、朗報がないわけではない。高額新薬として話題になった抗がん剤「オプジーボ」は、昨秋から肺がん、胃がんなど7つのがんで保険適用になって、価格はぐっと下がった。

 また、この2月には厚生労働省が、難治性の血液がん治療製剤「キムリア」の製造販売を了承した。米国では1回5000万円を超えるといわれる価格と副作用がネックだが、これも公的保険適用になる見込みだ。

 治療薬が庶民でも手が届くようになれば、がん死が激減する時代も近そうだが……。

 ハタイクリニック(東京・目黒)の西脇俊二院長がこう言う。

「この先5年、10年で、がん死がなくなるとは思いません。がんも進化するしね。ですが、いまよりはるかに副作用が少ない抗がん剤や免疫治療が登場する可能性はある。私自身、IPTという治療法を実施していますが、これはインスリンの作用で副作用がない。また、米国では30年前から“がんにならない食生活”が提唱され、着実に死亡者が減っている。ストレスコントロールも関わってきますが、日本でもこうした治療法、予防法を実践すれば、がん死が減るのは間違いありません」

 その食生活は、「マクガバンレポート」。興味がある方はチェックしてみるといい。

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