更年期を知って夫婦円満

更年期で夫とのセックス拒否…妻が抱える本当のワケとは

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写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 更年期以降、性欲がなくなった……。この話は女性からよく聞きますが、エストロゲンの減少と性欲の減退とは関係性はないようです。しかし女性にも性欲や活動にかかわる男性ホルモンがあり、その分泌量も少量ずつ減少していくので、性欲の減退を感じる人はいるかもしれません。

「子供が気になって、長年セックスレス」と言う女性も珍しくありません。子供が巣立ち、夫婦だけの生活環境となり、性欲が戻ってくる場合もあるでしょう。

 閉経前のセックスは、既婚女性であっても妊娠の心配がつきもの。気分が盛り上がった勢いで避妊せず妊娠……という心配は心のどこかに常にあります。だから閉経で妊娠のリスクから解放され、セックスを思いっきり楽しみたい気持ちになる女性もいるのでは。しかし、閉経とは月経がない状態が1年以上続いたこと。月経が数カ月間なくても、完全に閉経していない場合は妊娠の可能性があります。避妊対策が必要です。

 ただし、セックスで性的に興奮しているのに、膣は十分に潤わず、痛みを感じる場合も。これは、皮膚や粘膜の潤いを支えるエストロゲンが、閉経で減少しているから。そんな時、夫から無理にセックスを迫られると、夫婦間の信頼関係すら失いかねません。軽い乾燥や痛みは潤滑ゼリーなどで一時的な潤いをカバーできます。更年期障害を専門にしている婦人科医なら相談に乗ってくれるでしょう。

 そして最後にもうひとつ。閉経を理由に、夫とのセックスを卒業したい女性もいます。これは性交時の潤い不足や痛みの理由のほかに、今まで夫婦のセックスを楽しめなかったり、夫との性欲のタイミングが一致しなかったり……という理由もあるようです。

 多くの女性は性欲でセックスをするより、夫婦間での普段からのいたわりや思いやりなどの心のつながり、スキンシップがセックスの継続へ大きく影響します。男性にはぜひ、覚えておいてもらいたいです。

小林ひろみ

小林ひろみ

メノポーズカウンセラー。NPO法人更年期と加齢のヘルスケア会員。潤滑ゼリーの輸入販売会社経営の傍ら、更年期に多い性交痛などの相談に乗る。

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