【Q】 磨いても白くなりません。むしろだんだん黄色くなってきているような気が。どうしたら白くなりますか?
【A】 年齢とともに歯が黄色くなっていくのは自然なことですが、それ以外での原因は大きく分けて2つです。
1つ目は、食べ物や飲み物、たばこなどによって起こる黄ばみです。色の濃い食べ物……たとえばカレー、キムチ、醤油、赤ワイン、コーヒーなどを摂取すると、その色素が唾液のタンパク質と結びついて歯にこびりつくのです。
歯のエナメル質には水分が約1%、象牙質には約10%含まれていて、そこに色素を含んだ水分が染み込むことで歯自体が黄色くなってしまうのです。この厄介な色素沈着は「ステイン汚れ」と呼ばれ、最近では歯磨き粉のパッケージに「ステイン除去」と記載されたものもありますので、目にしたことがある方も多いのではないでしょうか。
ある女性患者さんが、「デート中に相手の男性が赤ワインをガブ飲みし、ニッコリ笑ったら歯が紫色で仰天して一気に恋心が冷めた」と話して下さったことがありました。食事中の歯はステイン汚れが意外に付着しやすいので、ご用心を。
2つ目は、加齢によるものです。年齢を重ねるとエナメル質の石灰化が強くなります。石灰化が進めば進むほど歯全体の透明感が高くなり、もともと色の強い象牙質の色が出てくるようになります。
ある時、何かの拍子に歯が黄色くなってきたことに気づき、「歯が悪くなったから黄ばんできたのか?」と相談に訪れる方もいらっしゃいますが、心配ご無用。個人差はありますが、年齢とともに黄ばむのは普通です。
それでも色が気になる方は、クリーニングやホワイトニングで改善することができますので、かかりつけの歯科医院で相談してみて下さい。実際にいらっしゃるのですが、掃除用のクレンザーやメラミンスポンジなどで力任せに歯の表面をこするのは厳禁です。どんな名医でも、削れてしまった表面を元に戻すことは不可能ですから、不適切なデンタルケアは絶対にやめましょう。
(構成=小澤美佳)
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