100年人生が楽しくなる半日断食

糖質制限中…控えるべき食品と摂るべきメニューとは

糖質制限中でも豚の生姜焼きはオススメ
糖質制限中でも豚の生姜焼きはオススメ(C)日刊ゲンダイ

 内臓脂肪を落とすのに重要なのは糖質を控えること。朝食抜きの半日断食との組み合わせで行うのだが、内臓脂肪が劇的に落ちるだけでなく万病も遠ざけるのだという。半日断食とは、前日の夜から翌日の昼まで食事を控えることだ。

「糖質制限は極めてシンプルです。ご飯、パン、麺類などの主食、それにお菓子や甘い清涼飲料水などに含まれている糖質の摂取をできる限り控え、糖質がほぼ含まれていない肉類、魚介類、卵、豆腐や納豆などの大豆食品、野菜やキノコ類、海藻類などをしっかり食べるだけ。主菜、副菜、汁物から、タンパク質、脂質、ビタミン、ミネラル、食物繊維といった糖質以外の必須栄養素とエネルギーを取ります。糖質制限ではご飯をカットしますから一汁三菜だけでは摂取量不足で低エネルギーに陥る恐れがあります。そこで、一汁四菜を基本とします」

 では、3大栄養素のひとつ、糖質は取らなくても大丈夫なのか?

「タンパク質には必須アミノ酸、脂質には必須脂肪酸がありますが、これらは体がつくることはできないので食べ物から摂取する必要があります。一方、必須糖質はありません。人の体には、必要なブドウ糖を体内でつくり出す糖新生という仕組みが備わっていて、糖質制限をしても健康に悪影響は及ぼしません」

 日本人の成人は1日当たり平均で240グラムの糖質を取っている。糖質制限を広めた高雄病院では1日当たり糖質30~60グラムが最も効果的な糖質制限食としているが、まずは100グラム前後を目安とするのがいいだろう。

 実際にどのような食品を控えればいいのか。

「日本人は糖質の多くをでんぷん食品(ご飯やパン)から取っているので(摂取カロリーの約50~60%)、主食をカットするだけで糖質も内臓脂肪も劇的に減らせます。ご飯の他におかゆ、雑炊、チャーハン、食パン、ラーメン(中華麺)、うどん、パスタ。意外にもそばはでんぷんが主原料で、つなぎの小麦粉を入れない十割そばでも糖質に大差はありません。ジャガイモ、サツマイモ、ポテトサラダや肉じゃがもカット。片栗粉や春雨、和菓子、洋菓子、せんべいにおかき、アボカドを除く果物。甘いものではドライフルーツやハチミツ、黒糖、和三盆(=砂糖)、さらに魚肉ソーセージやちくわ、かまぼこも、つなぎにでんぷんや砂糖を使っていますのでNG。サンマのかば焼きやサバの味噌煮の缶詰、牛乳や豆乳にも糖質が含まれています」

 逆に糖質が低く、一汁四菜として摂取すべきメニューは何か?

「焼き肉や鶏の竜田揚げ、豚の生姜焼きなどは高カロリーだから太ると敬遠されがちですが、糖質制限食ではいずれもOK。木綿豆腐なら2分の1丁、納豆1パック。ナチュラルチーズ(20グラム)、牛乳は糖質が含まれていますが、コップ半分程度ならOKです。ヨーグルト(100グラム)。イワシ、サバ、アジ、サンマなど魚介類。ダイエットに敬遠されがちなマヨネーズやバター、卵もOK。こんにゃく、根菜を除く野菜。キノコに海藻。飲み物は水・麦茶、コーヒー、紅茶などの無糖・低糖のものなどもあります」

(構成=中森勇人)

江部康二

江部康二

1950年、京都府生まれ。京都大学医学部卒。高雄病院理事長(内科医、漢方医)。日本糖質制限医療推進協会代表理事。近著に「内臓脂肪がストンと落ちる食事術」(ダイヤモンド社)がある。

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