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突発性難聴治療は「早い者勝ち」気づいたらすぐに専門医へ

歌手の浜崎あゆみさんもこの病気を経験
歌手の浜崎あゆみさんもこの病気を経験(C)ゲッティ/共同通信イメージズ

 少し前、タレントの「たむけん」こと、たむらけんじさんが治療中だった突発性難聴が完治したことを自身のインスタグラムで発表した。

 この突発性難聴、40代から60代の働き盛りにしばしばみられる疾患だ。症状は何の前触れもなく表れる。朝、目を覚ますと耳に違和感を覚えたり、電話の声、テレビの音がいつもと違うように聞こえてきたりする。ときに耳鳴り、めまい、吐き気を伴うこともある。

 専門医によれば年間約4万人が発症するという。この数は年々増加傾向にあるらしい。

 厚生労働省が運営する「e―ヘルスネット」によれば、音を感じ取って脳に伝える有毛細胞のトラブル、その有毛細胞に血液を送る血管の血流障害、ウイルス感染などが原因と考えられてはいるものの特定には至っていない。テレワークなどによるストレス、過労、睡眠不足、また、ヘッドホンによる大音量の音楽聴取、さまざまな大騒音、あるいは糖尿病なども原因として指摘されている。

 実際、浜崎あゆみさん、KinKi Kidsの堂本剛さんなどのミュージシャンもこの病気を経験している。

 だが、不治の病というわけではない。とにかく症状に気づいたら一刻も早く専門医に診てもらうこと。「発症後1週間以内に治療を受けることで40%が完治、50%以上に改善がみられる」(「e―ヘルスネット」)。治療はほとんどのケースでは、副腎皮質ステロイドの内服や点滴が中心。かなりの確率で完治に向かう。80%以上と説く専門医もいる。「48時間以内に診てもらわないと一生治らないよ」という体験者の助言に従って事なきを得るケースも多い。メニエール病などのほかの病気の可能性もあるから、すぐに専門医の診断を仰ぐこと。突発性難聴は「早い者勝ち」と覚えておいたほうがいい。

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