時間栄養学と旬の食材

カリウムを多く含む「フキノトウ」は夜に食べると効果的

雪解けにフキノトウが顔を出すと春が来た
雪解けにフキノトウが顔を出すと春が来た

 フキノトウは、春を告げる3月半ばから旬を迎え、春の使者とも呼ばれています。独特の香りとほろ苦さが特徴で、主に天ぷらや和え物などとして食べることができます。そんなフキノトウは、実は夜食べるのが効果的なんです。

 フキノトウにはさまざまな栄養素が含まれていますが、中でもカリウムは、むくみ解消や高血圧などの生活習慣病予防にも効果があるといわれています。

 私たちの一日の体内リズムをつくり上げている「体内時計」は、夜に高食塩を摂取すると夜型になってしまうのでナトリウム(塩分)を排泄(はいせつ)してくれるフキノトウは実に最適! 同時に、フキノトウに豊富に含まれる食物繊維も夜向き食材。同量のゴボウよりも多く含まれる食物繊維は、夕食時の急激な血糖値上昇を抑えてくれて、夜型になるのを防ぐだけでなく、良質な睡眠にも導いてくれます。

 ビタミンもたくさん。代謝を活発にしてくれたり、抗酸化作用があったりと体の衰えに効果があるものなどさまざまですが、特にビタミンKは骨や血液の健康にも大きく関わっていて、油で調理すると吸収が良くなるので天ぷらは理想的な調理法。和え物を食べる際もアマニ油などを添えて。

 香りの成分はフキノリドといって、胃腸の働きを良くする健胃効果があるといわれています。眠っている間、胃腸の働きは活性化しています。消化吸収を上げるのにも役立ちそうです。

 フキノトウに含まれる苦味のケンフェロールは余分な脂肪を燃やして肥満を予防・改善し、免疫力を高める効果があり、フキノール酸は花粉症を抑える効果があるといわれています。

 植物アルカロイドは肝臓の機能を高める効果があるので、二日酔いにも効果的! 少量なら問題ないのですが、大量(一度に350グラム=約30個分)に食べると肝がんを引き起こす可能性があるので、食べる際は量に注意しましょう。

 固く葉を閉じているものはおいしく食べられるので試してみてはいかがでしょうか。

古谷彰子

古谷彰子

早稲田大学大学院卒。早稲田大学時間栄養学研究所招聘研究員、愛国学園短期大学准教授、アスリートフードマイスター認定講師。「食べる時間を変えれば健康になる 時間栄養学入門」「時間栄養学が明らかにした『食べ方』の法則」(ともにディスカヴァー・トゥエンティワン)などがある。

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