「死ぬまで元気」を目指す

男性も多い…60歳以上は外反母趾が増加 転倒や腰痛の原因

椅子を使ってもOK
椅子を使ってもOK(C)日刊ゲンダイ

 外反母趾は、ハイヒールや先の細い靴を履く若い女性に多いもの。そんな印象を持つ人は多いだろう。だが意外や意外、実は60~70代にも多く見られると、米国の医療国家資格アスレチックトレーナーの三田貴史さんが言う。

「医療機関でリハビリ指導を行っていますが、女性だけではなく男性も外反母趾の方が結構います」(三田さん=以下同)

 なぜ年齢を重ねたことで外反母趾になる人が多いのだろう。

「足の親指は、本来なら歩く時に真下に力が入るようにできています。ところが、加齢で足指の機能が衰えると、足の親指でしっかりと地面を蹴って歩くことができなくなるんです。その結果、足全体のバランスが崩れ、足の親指が外側に向く外反母趾になってしまうのだと考えています」

 二足歩行で生活する人間が、唯一、地面と接触しているのが足の裏。足裏の半分を占める足指の働きは想像以上に大きく、機能が衰えると、転びやすくなったり、つまずきやすくなったり、背中や腰の痛みにつながる。いくつになっても自分の足でさっそうと歩くことは、長寿時代の理想。足指の衰えを防ぐための簡単な体操を教わった。

 かかとを上げ下げするシンプルな体操だが、コツがある。まず、両脚を肩幅程度に開いて立つ。そのまま、かかとをぐっと上に押し上げて、下ろす。頭が真上に引っ張られているようなイメージで、目線は真正面。運動中に呼吸を止めないように、注意する。バランスが取りにくく体がぐらぐらしてしまう人は、椅子を使ってもOK。椅子の上部に軽く両手を添えて、かかとをぐっと押し上げる。

「椅子や壁を使う場合は、あくまで手は添える程度に。体重を預けないようにしてください。また、足がつりやすい人は、最初のうちはかかとを上げきらなくてもよく、低めの位置で大丈夫。毎日続けていると、だんだんと上がるようになります」

 最初は1日に10回×3セットでOKだが、いずれは20回×3セットを目標に。テレビを見ながら、家事を行いながらなど、「ながら体操」でもいい。

関連記事