セックスが痛い

今でも全力でセックスを楽しめめている熟年夫婦の共通点

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写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 心からセックスを楽しめたことがない――。セックスで痛い人の多くは、こう言います。しかし、それを心底不思議がる友人が身近にいます。

 友達のRは高校時代からの同級生と付き合い結婚。今年で53歳ですが、夫とのセックスは、いつでも全力で楽しめているそうです。

「全力」という言葉を理解できない私に、「終わった後は2人とも抜け殻になる」と笑うR。夫婦2人暮らしなので、思う存分に声をあげ、畳の上を転がりながら楽しむそう。そして、お互いが本当にしたいと思う時だけしようと約束していて、ついにセックスしたい気分が2人重なる日が1年に1回になってしまった。でも、全力で何度も気持ちよくなるセックスだから問題ないという驚きの言葉。30年も続く付き合いで楽しさを維持する秘訣を聞くと、普段の会話が多く、お互いにオープンに話せると言います。同い年でも夫婦でお互いを尊重し、気に掛け合うすてきな夫婦です。

 3人の子持ちのAさんは、子供が留守の時は、夫とベッドルーム以外でのプレーを楽しむという仲良しぶり。Rと同様、夫婦の会話が多く、セックスについてもオープンにしていると言います。大病を患ったAさん。病後、回復しても一時セックスをする気力がなくなった時も、再開する心の準備ができた時も、率直に夫に伝えたそうです。夫も仕事が忙しい時は「残業続きだから察してね」ではなく、きちんと言葉で「しばらくセックスできない」と伝える。「面倒だけど、相手を気に掛けるコミュニケーションの努力なしで、楽しいセックスはできない」と、Aさんは私にアドバイスしてくれました。

 セックスで痛い人に特徴的なのは、相手に痛いことやセックスの悩みを打ち明けられないこと。「相手に申し訳ない」と一人でクヨクヨすることから抜け出せない。セックスの痛みは、相手の努力で和らぐ事例もあります。セックスが痛い・痛くないに関係なく、性的なことを含めて気楽に話せる普段からの会話の努力で、最高のセックスを共有できるのではないでしょうか。

小林ひろみ

小林ひろみ

メノポーズカウンセラー。NPO法人更年期と加齢のヘルスケア会員。潤滑ゼリーの輸入販売会社経営の傍ら、更年期に多い性交痛などの相談に乗る。

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