「死ぬまで元気」を目指す

お尻の筋肉がそげ落ちるとふんぞり返ったような姿勢になる

なるべく遠くまでグーッと伸ばす
なるべく遠くまでグーッと伸ばす(C)日刊ゲンダイ

「電車で、ふんぞり返ったような姿勢で座っている60代以上の方を見かけませんか?」と言うのは、米国の医療国家資格アスレチックトレーナーの三田貴史さん。体は椅子からずり落ちそうなほどにふんぞり返っているのに、顔と首は前に出ている。言われてみれば、よく見る気が……。

「背中が凝り固まってしまっていると、そういう姿勢で座るほうが楽に感じるんです。背中が固まる原因のひとつとして、加齢によって、お尻の筋肉がそげてしまうことが挙げられます」(三田さん=以下同)

 お尻は、上半身を支える大切な役割を担っている。その筋肉が減ると、お尻ではなく、背中で上半身を支えようと体が意識するようになる。だが、背中だけで支えきるのは難しいため、座るとふんぞり返った姿勢になってしまい、後ろに倒れてしまわないよう、首と顔を前に出してバランスを取るというわけだ。

「後ろに傾く体を安定させるためには固定点が必要で、それが膝になります。ふんぞり返る姿勢が多い人には、背中のほかに、膝の痛みも訴える人が多いです」

 膝の痛みが出ると歩くのがおっくうになってしまい厄介だ。そうならないよう、まずは背中をほぐす簡単な体操を教えてもらった。

①椅子に座り、足は肩幅程度に開く

②手を前に組み、背中を丸めながら、両手を正面に向かってなるべく遠くまでグーッと伸ばす。この時、背中と肩甲骨の間がしっかりと伸びているのを感じることが重要

③腕を伸ばしきったら、そのままの姿勢で2~3回ほどゆったりと呼吸をしてから、ゆっくりと元の姿勢に戻す

「腹筋に力が入るのは問題ありませんが、肩はすくまないように。肩を上げるのが痛い人は、おへそ辺りの少し低い位置で伸ばしてもいいですよ」

 椅子の背もたれに背中をつけずに、頭を前に引っ張られるようなイメージで座ってからスタートすること。1日3~5回でOKだ。

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